分散投資の資産配分(3) 将来予測を行わない均等配分ルール

著者/投資をまなぶ編集部

「分散投資が重要なのはわかるけど、具体的に何をいくら持てばいいの?」と思ったことはありませんか?資産配分の考え方には様々なアプローチがありますが、今回は、その中でもシンプルなルールの1つである、均等配分ルールについてご紹介します。

選択した資産分類に均等配分

VUCAという言葉もありますが、政治や経済、様々な側面で不確実性の高い現代、この方法は、「どの資産が最も上がるかは、プロであっても事前に当てることはできない」という発想に基づいた戦略ともいえます。株式、債券、不動産、ゴールドなど、選択した資産分類すべてに全く同じ金額を配分します。

  1. VUCAとは、Volatility(変動性)・Uncertainty(不確実性)・Complexity(複雑性)・Ambiguity(曖昧性)が高く、将来の予測が難しい現代の社会・環境のこと。

シンプルでも意外にしっかり

一見すると単純で非効率に見える運用手法ですが、ある実証研究において*1、どの高度なモデルも、単純な均等配分に対して一貫した優位性を示さないことが確認されています。

(図表1)均等配分のパフォーマンス推移*2
(1990年3月末を100として指数化)

均等配分のパフォーマンス推移 (1990年3月末を100として指数化)
2本指で拡大

比較対象となった平均分散モデルは、運用資産の将来のリターンやリスクを推計し、その推計値に基づいて、一定のリスクでリターンを最大化(あるいは一定のリターンでリスクを最小化)する資産配分を導く手法です。
しかし、これらの将来推計値には当然不確実性があり、その誤差が計算結果に大きな影響を与えることが知られています。
この研究は、高度で複雑な計算に基づく運用手法であっても、それが必ずしも良好なパフォーマンスにつながるわけではないことを示唆しています。

均等配分は、特定の資産の値上がりを期待しません。これにより、情報力で劣る個人投資家が、誤った情報やバイアスに基づいて特定の資産を買い過ぎるリスクを抑えることができます。

資産の特徴を考慮しない方法

一方で、均等配分は、リスクの大きさや他の資産との相関関係(相性)といった資産の特徴を無視してしまいます。リスクの大きな資産や同じような値動きをする資産ばかりを選んで均等配分してしまうと、思わぬ結果を招く可能性があります。均等配分する資産分類は、オルタナティブ資産も組み入れる等、広く考えるようにしましょう。

また、この資産配分は投資家個人のリスク許容度を反映しません。リスク許容度とは、投資家が求めている収益性やどの程度の価格変動や損失なら受け入れられるかというものです。一般に、リスク許容度が高い人は株式の比率を多く、低い人は債券の比率を多くしますが、均等配分の比率が、必ずしも投資家個人のリスク許容度に合っているかはわかりません。
ご自身のリスク許容度に合った資産配分を知りたい方は、「リスク許容度診断」を行い、当社のインターネットトレード内にある「ポートフォリオ分析サービス」から、資産配分例を確認してみましょう。

こんな人に向いているかも

一般に人は最初に知った数値や先入観に引きずられる傾向がありますが、そのような方でも均等配分というルールに基づく運用を行うことで、バイアスの影響を緩和できる可能性があります。

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  1. *1 DeMiguel, V., L. Garlappi, and R. Uppal. 2009. “Optimal versus Naïve Diversification: How Inefficient Is the 1/N Portfolio Strategy?” Review of Financial Studies, vol.22, no. 5: 1915-1953.
  2. *2 Bloombergより当社作成。
    国内株式、国内債券、外国株式、外国債券の4資産に25%ずつ均等配分したモデルポートフォリオのパフォーマンス(シミュレーション)を示すものです。リターンは月次ベースで算出し、1990年3月末を100として指数化しています。
    配当・利息は再投資を前提としており、実際の運用に伴うコストや税金等は考慮していません。
    本データは過去の実績またはそれに基づくシミュレーションであり、将来の運用成果を示唆・保証するものではありません。また、本記事の情報は当社が信頼できると判断した情報源に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。

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