子どもの独立、定年退職からの資産形成

2024/11/22

執筆者/高田晶子

子どもの独立、定年退職からの資産形成

いつ、どのくらいの資産を取り崩すか計画を立てよう

運用の鉄則として、よく「長期、分散、積立」が挙げられます。このうち「長期」については、明確に何年以上という定義はありませんが、若年層がイメージする「長期」とは、老後に向けて20年、30年という年数でしょう。

それでは、退職時期が迫っている50代や、すでに退職金を手にした60代が運用をするには「長期」は難しいのでしょうか。

仕事を辞めるであろう65歳や70歳を資金準備のゴールと考えてしまうと、長期運用はできないように思えます。しかし、「実際にそのお金を使うまで」と考えるとどうでしょうか?

いつ頃から、いくらくらいずつ取り崩すのかを計画してみると、運用できる期間が把握できます。

まずは、今の生活費を参考に、リタイア後は毎月いくらくらいあれば足りるのか試算してみましょう。

61歳以降の収入や生活費の見通し計画の例

収入の見通し 資産から取り崩す予定額
61歳~65歳 雇用延長で引き続き働く
給与は減るが、毎年の収入の範囲内で生活する
家のリフォーム300万円
66歳~70歳 年金受給が始まる
アルバイトなどで毎月数万円の収入を得る
毎月5万円を取り崩す
71歳以降 年金収入のみ 毎月8万円を取り崩す
医療費や介護のために500万円は残しておく

執筆者作成

もし、現在55歳なら家のリフォーム費用の300万円は6年後に使うかもしれないお金なので、リスクがない預貯金等に入れておくのが無難です。その他、将来の生活費に回す予定のお金は、66歳以降に取り崩すことになるので、使うのは10年以上先であることがわかります。さらに、71歳以降に使う分に関しては、15年以上の期間があります。

60歳で退職金を受取った場合でも、それを70歳、75歳以降の生活資金にまわすのであれば、やはり使うのは10年、15年先ということになり、十分に長期で運用することが可能なのです。

50代、60代のNISA活用法

50代、60代が運用する場合には、新NISAを活用するとよいでしょう。

株式や投資信託などの金融商品の運用益には20.315%の税金がかかりますが、NISA口座内で購入した場合には、運用益が非課税になるという制度です。2024年からは、非課税期間が無期限になるなど、制度が拡充されました。

子どもが独立した後は最後の資産形成のチャンス

お子さまの教育費の支払い終了後は、家計にも余裕が生まれ、リタイア後に向けて資産形成するラストチャンスになります。60歳以降も働く場合でも、収入は減ってしまい、貯蓄等にまわす余裕はないということも少なくありません。
新NISAは、年間の投資額の上限が360万円(つみたて投資枠年間120万円まで、成長投資枠年間240万円まで)と従来よりも拡充しています。収入の水準を維持している間に、なるべく資産を増やしておきたいところです。

退職金は分割してNISAで運用

新NISAの非課税保有限度額は1,800万円です。ただし、年間の投資額の上限は360万円なので、退職金でまとまった金額が入ったとしても一括で投資はできませんが、数年に分割して投資すればNISA口座を活用することができます。

非課税期間は無期限

新しいNISAの非課税期間は無期限なので、長期にわたる老後の生活資金でも税金を気にせず運用ができます。運用益だけでなく、株式の配当金や投資信託の分配金も非課税で受取れますので、配当目当ての運用にも向いています。

50代、60代からでも、しっかり計画を立てることで長期運用が可能になります。まずは、いくら貯めることができて、いくらずつ取り崩していくことになるのか、支出の見直しも含めて計画を立てましょう。

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高田晶子

高田晶子

高田晶子

大学卒業後、信託銀行に就職、人事部配属。宅地建物取引主任者の資格を取得し、念願叶い不動産部で働くも、お客様と銀行のハザマで苦悩する。「この人、この不動産買っても大丈夫だろうか」と思っても言えなかった罪悪感がその後私をFPへ導いてくれたのかも。信託銀行退職後、イベント会社、不動産コンサルティング会社を経て、1996年、ファイナンシャルプランナーとして独立。2010年まで女性3人で活動、年間300件の相談業務を行う。2010年より金融デザイン株式会社(旧株式会社マネーライフナビ)の取締役。長年、個人のお客さまの声を直接聞いてきたからこそ作れるコンテンツ作成を主に、失敗しないためのお金の知恵を学ぶ「お金の知恵アカデミー」を展開中。

<資格>

  • 1級ファイナンシャルプラニング技能士
  • 宅地建物取引士

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