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Chapter2 トレンドの転換

株価の上昇や下落が始まるタイミングを、「トレンドの転換」といいます。適切なタイミングで売買を行うためには、この「トレンドの転換」をいち早く捉えることが重要です。

一目均衡表

まずは、ひとつのチャートで2通りのトレンドの転換を見ることができる、「一目均衡表(いちもくきんこうひょう)」というチャートをご紹介します。一目均衡表は、株価に加え、転換線・基準線・先行スパン1・先行スパン2・遅行スパンと呼ばれる5本の線で描きます。*

この5本の線を組み合わせることで、トレンド転換や、抵抗線・支持線としての働きを読み取ることができます。

  • * 先行スパン1・2についてはChapter3で解説しています。

一目均衡表 イメージ

一目均衡表を使った2通りのトレンド転換

転換線と基準線

転換線と基準線はそれぞれ、下図のような計算式で算出します。移動平均線に例えると、転換線が短期線、基準線が中期線といったところです。
青色の基準線を赤色の転換線が下から上へ突き抜けたAのタイミングで、株価は上昇トレンドに入るとされています。反対に、赤色の転換線が青色の基準線を上から下へ突き抜けたBのタイミングで、株価は下落トレンドに入るといわれています。

転換線=(過去9日間の高値+安値)÷2 基準線=(過去26日間の高値+安値)÷2

転換線 基準線 イメージ

遅行スパン

遅行スパンとは、日々の終値を26日後ろにスライドさせたものです。一目均衡表では「26日間」を相場のひとつのサイクルと考え、遅行スパンと日々の株価との位置関係でトレンドを測ります。

一般的に、遅行スパンが株価を上回っていれば上昇トレンド、下回っていれば下落トレンドといわれています。

遅行スパン イメージ

「トレンドフォロー系」指標の注意点

ここまでご紹介した「移動平均線」「MACD」「一目均衡表」などは、テクニカル分析の世界では「トレンドフォロー系」といわれる指標です。トレンドの転換をわかりやすく教えてくれる「トレンドフォロー系」指標ですが、実は、相場によってはその威力を発揮できないこともあります。

トレンドフォロー系指標 イメージ

ボックス相場

下図のチャートは、株価が一定の値幅で行ったり来たりを繰り返す「ボックス相場」です。Aのポイントが買いのタイミング、Bのポイントが売りのタイミングです。
ここに、移動平均線を重ねてみましょう。すると、移動平均線のゴールデンクロスデッドクロスは先ほどの売買ポイントでは現れず、株価の山と谷の中間で出てしまっています。こちらのポイントでは、買値より売値のほうが安くなってしまっています。

一般的に、トレンドフォロー系の指標は、明確なトレンドがない状況や、上記のような一定範囲内で株価が上下を繰り返す「ボックス相場」などでは、その威力を発揮できないといわれています。また、トレンドフォロー系の指標は株価に対して遅れて動く性質があるため、トレンドが転換点となって現れる頃には、そのトレンドは終わっているということもあります。

ボックス相場 イメージ

相場の過熱感を表す「オシレータ系」指標

明確なトレンドがない状況や、「ボックス相場」のような状況で威力を発揮するのが、「オシレーター系」の指標です。オシレーター系は、相場の過熱感、「買われ過ぎ・売られ過ぎ」といった状態を示すテクニカル指標です。

トレンドフォロー系が「今まで上昇してきているから、これからも上昇するだろう」という見方をするのに対し、オシレーター系は、「今まで上昇し続けているから、そろそろ下げに転じる頃だろう」といった見方をします。

トレンドフォロー系 オシレーター系 イメージ

オシレーター系の代表的なチャート「RSI」と「ストキャスティクス」

RSI

RSI(アールエスアイ)」は、一定期間において、株価が上昇した日の上げ幅の合計と、下落した日の下げ幅の合計を、下記のような計算式で、割合として表したものです。
一般的に、RSIが20%以下の時は売られ過ぎ、80%以上の時は買われ過ぎの水準といわれています。言い替えると、20%以下は買いのタイミング、80%以上は売りのタイミングといえるでしょう。
ボックス相場」のチャート上の移動平均線にRSIを並べて表示させてみると、それぞれ高値と安値で、買いのサイン、売りのサインが出ていることがわかります。

RSI イメージ

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トレンドフォロー系の指標と、違いを比較してみましょう。

ストキャスティクス

ストキャスティクスは、過去の一定期間における高値・安値に対して、終値がどのような位置にあるかを表し、売られ過ぎや買われ過ぎを判断する指標です。

ストキャスティクスでは、%K(パーセントケー)、%D(パーセントディー)という2本のラインを使います。%Kは緑の線、%Dは青い線です。%K、%Dは、それぞれ下記のような計算式で算出します。

ストキャスティクス イメージ

一般的には、青い%Dラインが30%のローラインを下回る水準の場合は弱い買いシグナルを、緑の%Kラインが30%のローラインを下回る水準で青い%Dラインを下から上に突き抜けるゴールデンクロスになった場合は強い買いシグナルを表すといわれています。

反対に、青い%Dラインが70%のハイラインを上回る水準の場合は、弱い売りシグナルを、緑の%Kラインが70%のハイラインを上回る水準で%Dラインを上から下に突き抜けるデッドクロスになった場合は、強い売りシグナルをあらわすといわれています。

ストキャスティクス イメージ

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オシレーター系指標は、株価が一定の値幅で揉み合って推移している場合には
特に有効です。

「オシレーター系」指標の弱点

オシレーター系の指標にも弱点はあります。オシレーター系の指標は、株価のトレンドが強い時には有効ではありません。
下落トレンドが強い時は、ローラインを下回ったまま、安値圏に張り付いて買いのサインが出続けることがあります。また、上昇トレンドが強い時は、ローラインを下回らないまま上昇し、買いのシグナルを示さないことがあります。このような時は、オシレーター系の指標ではなく、トレンドフォロー系の指標が有効です。

しかし、現在の相場が明確なトレンドを示しているのか、それとも揉み合っているのか、判断をするのはなかなか難しいことです。これらを適切に判断しないと、間違ったサインで売買をしてしまう可能性があります。

オシレーター系指標の弱点 イメージ

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そんな時に役に立つチャートが次でご紹介するDMIです。

DMI

現在の相場がボックス相場なのか、トレンドを形成しつつあるのかを判断するのに役立つ指標が、「DMI(ディーエムアイ)」です。DMIは一定期間の価格変化の方向を数値化してトレンドの強弱を計算するもので、プラスの方向性指数である緑色の「+DI」、マイナスの方向性指数である青色の「−DI」、そしてそのふたつから算出される紫色の「ADX」の3つの値から構成されています。

+DIは「上昇の強さ」を、−DIは「下落の強さ」を表し、+DIが−DIより上にあれば上昇トレンド、+DIが−DIより下にあれば下落トレンドと判断するのが一般的な見方です。+DIと−DIがクロスすると、トレンドの転換を意味します。
「ADX」は、トレンドの強さを表します。明確なトレンドが無い場合、ADXの値は低くなっています。しかし、トレンドがはっきりしてくるとADXの値は上昇していき、そして、トレンドが終わるとADXの値は下がり始めます。

DMI イメージ

一般的に、ADXが上昇して高い位置にある時は、トレンド発生中と考え、トレンドフォロー系の指標が有効と判断します。逆に、ADXが下降して低い位置にある時は保ち合い相場と考え、オシレーター系の指標が有効といわれています。

このDMIをオシレーター系の指標と並べて見てみましょう。オシレーター系のストキャスティクスでローラインを下回って買いのサインが出ていても、+DIより−DIが上にあり、ADXが上昇している時は、相場は下落トレンド発生中と判断し、買いを見送るサインとなるわけです。

DMI イメージ

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複数のチャートを組み合わせて判断すると、信頼性がぐっと向上します。

chapter2 トレンドの転換

chapter3 トレンドを予測する

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