解説!知っておきたい経済指標

国内

重要指標の見方 語句説明
日銀金融政策決定会合 金融政策決定会合とは、日銀の政策委員が金融政策の方向性について審議・決定する会合である。年に8回(毎回2日間)開催され、9名の政策委員(総裁、副総裁2名、審議委員6名)による多数決で決定される。議事内容としては、①金融市場調節の方針②基準割引率、貸付利率や預金準備率③金融政策手段④金融・経済情勢に関する基本的見解などがある。注目度は高く、会合内容の公表後は市場が敏感に反応することもある。
量的緩和政策 量的緩和政策とは日本銀行(日銀)が取った金融政策の一つ。中央銀行が民間金融機関から国債や手形を買い取り、市場に供給する資金の量を増やすことで、金融市場の安定や景気回復を図る。一般に輸出や所得、雇用の面でプラス効果が期待できる反面、国の借金増や急激なインフレが起こるリスクを伴うとの指摘もある。
先物・オプションSQ SQとはSpecial Quotationの略で、先物・オプション取引において、最終売買日の翌営業日の強制決済(SQ決済)に用いられる特別清算指数。SQ値は、指数算出日における各指数構成銘柄の始値に基づいて算出される。SQは毎月第2金曜日に算出されるが、先物とオプションの両方の精算がある3・6・9・12月の第2金曜日に算出されるものは通常のSQとは区別され「メジャーSQ」と呼ばれる。
裁定取引 裁定取引とは同一の価値を持つ商品において一時的な価格差が生じた際に、割高な方を売り、割安な方を買うことで、収益を確定させる手法。アービトラージともいう。主に機関投資家が利ザヤの獲得を目的として、株価指数・為替・金利・商品などの先物市場で、異なる限月・市場を使って取引を行っている。
日銀短観 日銀短観とは全国企業短期経済観測調査の通称。日本銀行が3・6・9・12月に景気の現状と先行きについて約1万社の企業を調査し、その集計・分析結果をもとに日本経済を観測する。高い回答率と速報性があり、なかでも景気が「良い」と答えた企業から「悪い」と答えた割合を引いた業況判断DIは、株式市場への影響力が強い。
GDP GDPはGross Domestic Productの略で国内総生産とも言われる。国内で一定期間に新しく生産された商品・サービスの付加価値の合計で、その国の経済規模を示す指標となる。GDPは名目GDPと物価変動の影響を取り除いた実質GDPがある。
消費者物価指数 消費者物価指数(CPI:Consumer Price Index)とは、消費者が購入するモノやサービスなどの総合的な価格の変動を示す指数で、総務省が毎月発表している。全てのモノやサービスを総合した「総合指数」のほか、価格変動が大きい「生鮮食品を除く総合指数(コアCPI)」などがある。基準年は5年ごとに更新され、現在は2020年を100とした指標となっている。
企業物価指数 企業物価指数とは、企業間で取引される商品の価格を反映した物価指数で日銀が毎月発表する。主に「国内企業物価指数」「輸出物価指数」「輸入物価指数」から構成され、景気判断に使われるほか、消費者物価の予測材料としても注目される。
機械受注 機械受注統計とは、内閣府が毎月発表している指標で、機械製造業者が受注した設備投資用の機械受注額を集計したもの。一般に機械受注は実際の設備投資より6ヵ月から9ヵ月先行すると言われ、機械受注の結果が株式市場に影響を与えることもある。

海外

重要指標の見方 語句説明
FOMC FOMCとは、Federal Open Market Committee(連邦公開市場委員会)の略で米国の金融政策を決定する会合である。年に8回開催され、委員会はFRB理事7名と地区ごとの連邦準備銀行総裁5名の最大計12名で構成される。会合では、通貨供給量や政策金利(FF金利)の誘導目標を決定する。FOMC会合終了後に発表される声明文や開催の3週間後に公表される議事録は今後の金融政策の方向性を判断する材料になるため、市場関係者の関心は非常に高い。
ECB理事会 ECB理事会とは、欧州中央銀行(European Central Bank)の最高意思決定機関のことで、ユーロ圏の統一的な金融政策を決定する。6週間毎に開催され、役員会メンバー6名(総裁、副総裁、理事4名)とユーロ圏の中銀総裁19名の計25名で構成される。
米雇用統計 米雇用統計とは、米国労働省が発表する、米国の雇用情勢を調べた経済指標。毎月第1金曜日に10数項目の統計が発表されるが、その内「失業率」と「非農業部門就業者数」は特に注目され、FOMC(連邦公開市場委員会)の金融政策の決定にも大きな影響を与える。
米ISM(非)製造業景況指数 ISM(非)製造業景況感指数とは、全米供給管理協会(ISM:Institute for Supply Management)が発表する米国景況感を示す指標である。300社以上の(非)製造業の購買担当役員に対して、アンケート調査を実施し指数を算出する。一般に、数値が50%を上回ると景気拡大、50%を下回ると景気後退と判断される。毎月第1営業日(ISM非製造業景況指数は毎月第3営業日)に発表されるため速報性が高く、景気の先行指標として市場の注目度は高い。
米個人消費支出 個人消費支出とは、米商務省が公表する、米国の家計が消費した、財やサービスを集計した指標で、PCE(Personal Consumption Expenditures)とも言われる。名目PCEを実質PCEで割ったPCEデフレーターの中でも、価格変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCEデフレーターはFRB(米連邦準備制度理事会)もインフレ指標として重要視していることから、市場からも注目されている。
米自動車販売 一般的に自動車販売は、個人の購買意欲によって変動が大きく、また関連産業の裾野が広いので、世界各国で注目される。GDPの約7割が消費で占める米国では、新車販売台数は特に注目される。
米貿易収支 米貿易収支とは、米国における輸出と輸入の差額のことで、米商務省が発表する。貿易収支は、経常収支の最大の構成要素の一つであり、市場の注目度は高い。トランプ政権は、自国の貿易赤字を嫌う傾向にあることから、貿易収支の動向が他国との通商政策に影響を及ぼす可能性もある。
(米)鉱工業生産指数 鉱工業生産指数とは、鉱業や製造業の生産活動を指数化したもので、日本のほか米国や中国など世界各国で発表される。基準年(日本:2010年、米国:2012年)を100として算出し、そこからの水準の推移によって生産動向を把握する。景気の動向を判断する有力な経済指標の1つで市場からの注目度も高い。

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