本日の株式市況

モーニング・コメント

30日の東京株式市場で日経平均株価は5日続伸し、終値は前営業日比 205円39銭(0.57%)高の3万6045円38銭だった。3月28日以来、約1カ月ぶ りの高値で終えた。トランプ米政権と貿易相手国・地域との関税交渉が進 展するとの期待を背景に、前日の米株式市場でダウ工業株30種平均が6 日続伸するなど、米国株が戻り歩調にあるのが投資家心理を支えた。トラ ンプ米政権の関税措置を巡り日本時間5月1日に予定される日米協議に対 する様子見ムードから日経平均は下げる場面もあったが、下値は限られ 大引けにかけて上げ幅を拡大した。
トランプ米政権が各国・地域に対する関税政策をやや緩和する姿勢を見 せるなか、投資家の過度なリスク回避姿勢は足元で後退しつつある。日米 交渉では、赤沢亮正経済財政・再生相が訪米し、日本時間5月1日にベッ セント財務長官らと協議する予定だ。日本側は相互関税や自動車など品 目別の追加関税撤廃を求める一方、農産品の輸入拡大や輸入自動車へ の特例措置の拡充などを交渉カードとして検討するとみられる。米国がど こまで応じるかは未知数とあって日経平均は下落に転じる場面もあった。 もっとも、相場の下値は堅く、株価指数先物主導で強含む展開となった。
国内では主要企業の3月期決算が本格化しているなかで個別物色が活 発だった。きょうは決算内容が評価されたTDKの上昇が目立った。半面、 OLCやキッコマンは決算を受けて売りに押された。昼休み時間中に決算を 発表した商船三井は後場に急落。郵船や川崎汽にも売りが波及した。決 算以外の材料では、ソニーGが半導体子会社のスピンオフ(分離・独立)と 株式上場を検討しているとの米ブルームバーグ通信の報道をきっかけに 大幅上昇して日経平均の押し上げ役になった。
東証株価指数(TOPIX)は6日続伸した。終値は前営業日比16.68ポイン ト(0.63%)高の2667.29と、3月28日以来の高値で終えた。JPXプライム150 指数も6日続伸し、7.05ポイント(0.60%)高の1174.56で終えた。
東証プライムの売買代金は概算で5兆4367億円、売買高は22億8183万 株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は923、値下がりは650、横ばい は62だった。
リクルート、アドテスト、コナミG、中外薬が上昇した。一方、ファストリ、日 立、トヨタ、ファナックが下落した。

4月30日の米株式市場でダウ工業株30種平均は7日続伸した。前日比141ド ル74セント(0.34%)高の4万0669ドル36セントと、2日以来の高値で終えた。7 日続伸は昨年5月以来となる。同日発表の米物価指標を受け、米連邦準備理 事会(FRB)が早期に利下げを決めるとの観測が相場を支えた。月末の買いも 入って、引けにかけて上げ幅を広げた。
朝方は売りが先行していた。朝発表の2025年1~3月期の米実質国内総生産 (GDP)速報値が前期比年率で0.3%減と、3年ぶりにマイナス成長となった。ダ ウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.4%増)を下回った。関税の引き上げ を前にした駆け込み輸入の急増が響いたほか、個人消費が減速した。
朝発表の4月の全米雇用リポートで非農業部門の雇用者数が前月比6万 2000人増と、市場予想(12万人増)を下回った。労働市場の減速感が意識され たことも重荷となった。ダウ平均は午前に一時780ドルあまり下げた。
ただ、引けにかけては次第に買いが優勢となった。市場ではGDP統計に対し て「みかけほど悪い内容ではなかった」(インガルズ・アンド・スナイダーのティモ シー・グリスキー氏)との受け止めがあった。設備投資は前期比年率で7.8%増、 消費は同1.8%増と、「景気循環は健全なままだということを示した」(UBSのブ ライアン・ローズ氏)との指摘もあった。
同日発表の3月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前月比で横ばいと、市 場予想に一致。2月の0.4%上昇から伸びが減速した。食品とエネルギーを除く コア指数は市場予想(0.1%上昇)に反して横ばいとなった。
PCE物価指数はFRBがインフレ指標として重視する。市場では「インフレの進 展を示さず、労働市場が大幅に軟化すれば5月会合での利下げもありうる」(イ ンタラクティブ・ブローカーズのホセ・トーレス氏)との見方があった。米債券市場 で長期金利が低下したことに加え、4月の最終取引日とあって資産の再配分に 伴う株買いも追い風となった。
個別では、ベライゾン・コミュニケーションズやマクドナルド、シャーウィン・ウィ リアムズが上げた。朝に1~3月期決算を発表したキャタピラーも高かった。半 面、ナイキやアマゾン・ドット・コムといった消費関連株に売りが出た。シェブロン やハネウェル・インターナショナルも下げた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反落した。前日比14.976ポ イント(0.08%)安の1万7446.342(速報値)で終えた。前日夕に1~3月期決算を 発表したスターバックスが5.6%安、サーバーなど電子機器製造のスーパー・マ イクロ・コンピューターが11.5%安となった。テスラも3.3%下げた。
【日経QUICKニュース(NQN)】

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