本日の株式市況

モーニング・コメント

10日の東京株式市場で日経平均株価は3営業日ぶりに反落し、終値 は前日比52円30銭(0.10%)安の5万0602円80銭だった。米連邦公開市 場委員会(FOMC)の結果発表を日本時間11日に控えて持ち高整理の 売りが優勢だった。ソフトバンクグループ(SBG)や半導体関連の下げ が目立ち、日経平均は300円あまり下げる場面があった。株価指数先 物主導で朝方には400円強上昇したが、勢いは続かず売りに押された。
今回のFOMCでは多くの市場関係者が利下げを予想する一方、2026 年は利下げペースが鈍化するとの観測も広がっている。これまで米利 下げ観測を支えに日米ともにハイテク株を中心とした相場の上昇基調 が続いてきたとあって、FOMC後のマーケットの反応に対して様子見 ムードが広がっている。東京市場でも積極的に運用リスクは取りづらく、 売りが優勢になった。海外短期筋による株価指数先物主導の朝方の 上昇に追随した動きも限られた。後場に入ると一段と積極的な売買を 見送る投資家が増え、日経平均も前場のレンジ内での動きにとどまっ た。
上昇が目立ったのはホンダやトヨタ、デンソー、ブリヂストンといった自 動車関連株だ。外国為替市場での円安・ドル高で輸出採算改善を見込 んだ買いが入った。ホンダは野村証券による投資判断の引き上げも手 がかりとなった。
東証株価指数(TOPIX)は3日続伸した。終値は前日比4.10ポイント (0.12%)高の3389.02だった。一時は取引時間中の最高値を上回った。 JPXプライム150指数は3営業日ぶりに反落し、前日比3.77ポイント (0.26%)安の1455.96で終えた。
東証プライムの売買代金は概算で5兆6697億円、売買高は22億4943 万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は562、値上がりは992、 横ばいは53だった。
東エレク、アドテスト、レーザーテク、ソニーGが下落した。一方、ファ ストリ、アステラス、住友不、キヤノンが上昇した。

10日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、終値は 前日比497ドル46セント(1.04%)高の4万8057ドル75セントだった。4万8000ドル 台を回復し、過去最高値(4万8254ドル)を付けた11月12日以来の高値で終え た。米連邦準備理事会(FRB)がバランスシートの水準を維持するために短期 国債を購入する方針を示したことが好感された。
FRBは10日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の予想通り3 会合連続で0.25%の利下げを決め、政策金利は3.50~3.75%となった。パウエ ルFRB議長は記者会見で昨年からの断続的な利下げを経て政策金利が景気 を冷やしもふかしもしない中立金利水準に近づいてきたとの認識を示した。「経 済動向を見極めるのに良い立ち位置にいる」と話し、次回会合での政策の方向 性には踏み込まなかった。
FOMC参加者の政策金利見通し(ドットチャート)では来年の0.25%の利下げ 予想回数が1回と前回9月と変わらなかった。2025年の3回からは減った。ただ、 市場では「想定通りだった」(シーミス・トレーディングのジョゼフ・サルッジ氏)と の声が多かった。
FOMC結果とあわせて、FRBは市場に必要な資金を供給するために米財務 省証券(TB)の購入を始める方針を示した。量的緩和(QE)とは異なるが、金融 市場に流動性を供給することで株などのリスク資産に資金が流入しやすくなる との思惑につながった面があった。
米長期金利はFOMC後に一時前日比0.06%低い(債券価格は高い)4.13%に 水準を切り下げた。金融政策の影響を受けやすい2年債利回りの低下も目立っ た。株式の相対的な割高感が薄れたことも買いを後押しした。
利下げの恩恵を受けるとの期待で消費関連や景気敏感株、金融株の上昇が 目立った。ダウ平均の構成銘柄ではアナリストが「買い」で投資判断を開始した ナイキが高い。キャタピラーやアメリカン・エキスプレス(アメックス)、JPモルガ ン・チェースなどにも買いが入った。一方、マイクロソフトやウォルマート、ボーイ ングが売られた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続伸した。終値は前日比 77.669ポイント(0.32%)高の2万3654.155と11月上旬以来の高値で終えた。ア ナリストが目標株価を引き上げた半導体メモリーのマイクロン・テクノロジーが買 われた。
多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は3営業日ぶりに 反発し、前日比46.17ポイント(0.67%)高の6886.68で終えた。10月28日に付けた 最高値(6890)を上回る場面があった。
【日経QUICKニュース(NQN)】

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