本日の株式市況

モーニング・コメント

10日の東京株式市場で日経平均株価は反落し、終値は前日比1237円36 銭(1.89%)安の6万4179円27銭だった。前日の米ハイテク株安や中東情 勢の緊迫化を背景に人工知能(AI)関連の一角や株価指数先物への売り が優勢だった。日本時間10日夜の5月の米消費者物価指数(CPI)の発表 を控えた持ち高調整の売りも相場下落に拍車をかけ、下げ幅は一時1600 円を超えた。
前日の米株式市場でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数や、 主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX) は下落した。10日の東京市場では米ハイテク株安の流れを受け、AI半導 体関連の一角に売りが波及した。米国とイランの攻撃に関する報道で中東 地域における緊張の高まりが意識されたことも投資家心理を冷やした。
日経平均は午後に一段安となった。日本時間10日夜に5月の米消費者 物価指数(CPI)の発表を控え、米利上げ観測が高まるとの警戒感が相場 全体の重荷となった。一方、下げ渋る場面もあった。節目の6万4000円を 下回る場面では、日本株の先高観に期待した押し目買いが入った。12日 に株価指数先物とオプションの清算日が重なるメジャーSQ(特別清算指 数)算出を控え、先物主導で値動きが荒くなりやすかった。
東証株価指数(TOPIX)は反落した。終値は48.51ポイント(1.25%)安の 3847.60だった。JPXプライム150指数は反落し、18.77ポイント(1.15%)安 の1613.55で終えた。
東証プライムの売買代金は概算で11兆3336億円、売買高は25億3581万 株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は694と全体の4割強にとどまっ た。値上がりは835、横ばいは35だった。
ソフトバンクグループ(SBG)やアドテストが売られた。電子部品の村田 製や太陽誘電のほか、フジクラなど電線関連も安い。新作ソフトの発表を 巡り、任天堂が大幅安となった。半面、東エレクやスクリンは買われた。菱 地所や三井不など不動産株の上昇が目立った。

10日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、終値は前日比953ドル33セント(1.87%)安の4万9918ドル78セントだった。約3 週間ぶりに5万ドルを下回った。下落幅は2025年4月21日以来の大きさだった。イラン情勢の悪化を警戒した売りが広がった。半導体やハイテク株への売りが続 いたことも相場を押し下げた。
米中央軍は9日夕、米国のヘリコプター撃墜への対抗措置としてイランへの「自衛的な攻撃」を始めたと発表した。トランプ米大統領は10日、イランが交渉に時間 をかけすぎたとして「その代償を払わなければならない」と自身のSNSに投稿。記者団には前日に続くイラン攻撃の意向を示し「非常に激しく攻撃する」と語った。
市場では米国とイランの交渉が難航するとの懸念が広がり「(戦闘終結の)合意が遠のいた」(ミラー・タバックのマシュー・マリー氏)との見方が出た。ホルムズ海 峡を通じたエネルギー輸送の停滞が長引くとみて、米原油先物相場は上昇した。原油高もリスク回避目的の株売りを促した。
半導体やハイテクなど人工知能(AI)関連銘柄の一角への売り圧力が強まったことも、相場の重荷となった。ダウ平均の構成銘柄ではエヌビディアやアマゾン・ ドット・コムが売られた。データセンター向け発電機器などを手掛けるキャタピラーは6%あまり下げた。
AI投資の拡大による収益期待が高まり、関連銘柄は前月まで急ピッチで上昇してきた。「中東情勢の悪化懸念や米利上げ観測に加え、巨大新規株式公開(IP O)前の資金確保などを背景にハイテク株には利益確定売りが出やすい」(ベンセニョア・インベストメント・ストラテジーズのリック・ベンセニョア氏)との見方があっ た。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、サーバーなどを手掛けるスーパー・マイクロ・コンピューターが27.9%下げた。前日夕に70億ドルの増資を発表し、株式価値の 希薄化が懸念された。前週はアルファベットが大規模な増資を発表し、新株発行が増えれば需給が緩むとの観測やAI投資の持続性を巡る不透明感も市場心理 の重荷となった。
10日朝発表の5月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比の上昇率が4.2%と2023年4月以来の高水準となった。一方、前月比では0.5%と4月(0.6%)から伸 びが鈍化し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想と一致した。エネルギー・食品を除くコア指数では同0.2%と市場予想(0.3%)を下回った。
エネルギー高が全体を押し上げたが、コア指数は予想より下振れし「懸念したほど悪くなかった」(PNCファイナンシャル・サービシズ・グループ)との受け止めが あった。発表前から意識されていた米連邦準備理事会(FRB)による利上げ観測を一段と強める内容ではないとして、物価高に対する相場の反応は限られた。
ダウ平均の構成銘柄ではハネウェル・インターナショナルやゴールドマン・サックス、ボーイング、セールスフォースが売られた。半面、コカ・コーラやベライゾン・コ ミュニケーションズといったディフェンシブ株の一角は上昇した。原油高を受けてシェブロンも高かった。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は大幅に続落した。終値は前日比509.321ポイント(1.98%)安の2万5169.501(速報値)だった。5月上旬以来の 安値。テスラやメタプラットフォームズ、アルファベットといった巨大ハイテク株が下げた。半導体関連株が軒並み売られ、主要な半導体関連銘柄で構成するフィラ デルフィア半導体株指数(SOX)は3.5%安だった。ソフトウエア関連も売りが優勢だった。
【日経QUICKニュース(NQN)】

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