本日の株式市況

モーニング・コメント

8日の東京株式市場で日経平均株価は3日続落した。終値は前日比1437円91銭 (2.11%)安の6万6819円05銭で、この日の安値で引けた。6月12日(6万6020円) 以来、およそ1カ月ぶりの安値水準。前日の米ハイテク株安を受け、人工知能(A I)・半導体関連株を中心に売りが優勢だった。8日のアジア市場でハイテク株比率 が高く日経平均との連動性を強めている韓国総合株価指数(KOSPI)が急落する と、日経平均は下げ足を速めた。
世界でAI・半導体関連株への売り圧力が強まっている。7日の米株式市場で主 要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は4%強下 落した。8日の取引ではKOSPIが一時上昇しながらも午後に6%あまり下落し、終 値は1カ月半ぶりの安値を付けた。
KOSPIを巡ってはチャート上で6月2日と同19日の高値を2つの頂点とし、ネック ラインと呼ばれる同11日の取引時間中の安値(7394.46)を下回る「ダブルトップ」を 形成した。ダブルトップは株価の下落トレンド入りを示すサインとされ、「韓国株と連 動する日本株の先高観もあわせて後退する形で売りが膨らんだ」(フィリップ証券 の増沢丈彦株式部トレーディング・ヘッド)。
中東不安の再燃も投資家心理を冷やした。イランのイスラム革命防衛隊は6日、 ホルムズ海峡を通航しようとした商船をミサイル攻撃した。米国は停戦違反を主張 して7日にイラン産原油の禁輸措置を再開するとともにイランに報復攻撃した。米 ニュースサイトのアクシオスは7日、この日の米軍の攻撃が「前回の攻撃と比べ、 規模と威力で4~5倍の規模だった」と報道。戦闘終結に向けた米国とイランの交 渉に不透明感が強まり、リスク回避の動きも広がった。
需給面で決算日を迎えた上場投資信託(ETF)による分配金(配当に相当)捻出 に絡む換金売りが出たことも株価を下押しした。きょう8日と10日に計1.5兆円規模 の売りが想定されており、相場の重荷だった。国内債券市場で長期金利が約30年 ぶりの水準に上昇し、株式には相対的な割高感を意識した売りも出やすかった。
東証株価指数(TOPIX)は続落した。終値は55.83ポイント(1.37%)安の4006.43 だった。JPXプライム150指数も続落し、27.68ポイント(1.63%)安の1670.72で終え た。
東証プライムの売買代金は概算で11兆1412億円、売買高は23億6115万株だっ た。東証プライムの値下がり銘柄数は960。値上がりは564、横ばいは34だった。
アドテストや東エレク、ファストリが安い。ファナックやフジクラ、太陽誘電が下落し た。トヨタやホンダが売られた。一方、KDDIやアサヒ、花王が高い。三越伊勢丹やI NPEX、郵船が上昇した。

8日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、終値は前日比576ドル76セント(1.08%)安の5万2348ドル39セントだった。トラ ンプ米大統領がイランとの停戦が終わったとの認識を示した。中東情勢を巡る先行き不透明感から原油先物が急騰して投資家心理が弱気に傾き、一時は800ド ルあまり下落した。もっとも下値では押し目買いも入り、ダウ平均は下げ渋った。
イランによるホルムズ海峡を航行する商船への攻撃を受け、米中央軍はイランの軍事施設を報復攻撃したと7日発表していた。トランプ氏は8日、イランとの覚 書に基づく停戦が「終わったと思う」と語った。イランに対して「今夜再び激しい攻撃をする」とも警告した。
米イランの関係悪化によりホルムズ海峡の通航やエネルギー供給の正常化が遠のくとの観測から、8日の米原油先物市場でWTI(ウエスト・テキサス・インター ミディエート)の期近8月物は一時1バレル76ドル台と、期近物として約2週間ぶりの高値を付けた。原油高が米経済や企業収益の重荷になるとして、ホーム・デポ など消費関連株の売りが優勢だった。
原油高でインフレ懸念が高まり、米長期金利は一時4.59%と5月21日以来の高水準となった。エネルギー価格の高騰が続けば米連邦準備理事会(FRB)が利上 げに動く可能性が高まるとの観測も株式相場を下押しした。
一方、ダウ平均は下げ渋った。トランプ氏は8日の記者会見で、イランとの戦闘を再開するかを問われ「再開するとは思わない」と話した。「トランプ氏が当初より も態度を軟化させたと受け止められた」(ミラー・タバックのマシュー・マリー氏)との見方から買いが入った。このところ売りが出ていた人工知能(AI)・半導体関連 株に押し目買いが入り、相場を支えた面もあった。
FRBは8日、6月16~17日に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を公表した。ほとんど全ての参加者が、中東情勢の混迷などで物価が高止ま りすれば「インフレ率を2%の目標に戻すための金融引き締めが必要になる可能性が高い」と意見した。もっともインフレ圧力が緩和すれば金利の据え置きや利下 げが適切になるとの言及もあり、早期の利上げ観測を高める材料にはならなかった。
ダウ平均の構成銘柄ではボーイングやシャーウィン・ウィリアムズ、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が下落した。アメリカン・エキスプレスやJPモルガン・ チェースなど金融株も売られた。アルファベットやスリーエム(3M)、メルクも下げた。
一方、アナリストがバリュエーション(投資尺度)面で割安と指摘したエヌビディアは上昇した。シスコシステムズやウォルマート、シェブロンにも買いが入った。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発した。終値は前日比51.962ポイント(0.20%)高の2万5870.652(速報値)だった。アップルと半導体供給に 関する契約を結んだブロードコムが大幅高となったほか、アプライドマテリアルズなど半導体関連株に買いが優勢だった。中東情勢の悪化を受け、下落率は1% を超える場面があった。
【日経QUICKニュース(NQN)】

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