本日の株式市況

モーニング・コメント

10日の東京株式市場で日経平均株価は3日続伸し、終値は前日比122円94 銭(0.32%)高の3万8211円51銭だった。米長期金利の低下を背景にした前日 の米ハイテク株高や、外国為替市場での円安・ドル高を支えに買いが優勢 だった。株価指数先物への買いも日経平均を押し上げたが、午後は利益確定 売りが膨らみ、大きく上げ幅を縮小して終えた。
前日の米株式市場ではハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続 伸し、2月20日以来の高値で終えた。東京市場でも半導体関連のほか、米ハイ テク株の上昇が業績拡大につながりやすいソフトバンクグループ(SBG)が上 昇した。外国為替市場で円相場が一時1ドル=145円台前半まで下落した場面 では、先物への買いが強まり、日経平均は400円ほど上昇する場面があった。
午後は円相場が次第に下げ渋る展開となり、先物への買いも弱まった。台湾 積体電路製造(TSMC)が午後に発表した5月の月次売上高は前年同月比で は大幅増となった半面、前月比では約8%減となった。先行して上げていた東 京市場の半導体関連には利益確定売りが強まり、日経平均も急速に上げ幅を 縮めた。地政学リスクの高まりを背景に今年に入ってからの上昇が目立ってい る三菱重、川重、IHIの重工3社にも利益確定売りが優勢だった。
9日にロンドンで開かれた米中の貿易協議では中国のレアアース(希土類) 輸出規制や米国の半導体規制などを巡って議論された。協議は10日も継続す るという。個別では中国関連銘柄の一角である安川電やファナックが買われた が、対立する両国の関係改善が実現するのか見極めようとする投資家も多 かった。10日の上海総合指数の下げも投資家心理の重荷になったとの見方も あった。
東証株価指数(TOPIX)は3日続伸した。終値は0.83ポイント(0.03%)高の 2786.24だった。JPXプライム150指数も3日続伸し、2.74ポイント(0.22%)高の 1228.31で終えた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆661億円、売買高は15億9049万株だっ た。東証プライムの値上がり銘柄数は673。値下がりは876、横ばいは81だった。
コナミG、信越化、第一三共、ダイキンが上昇した。一方、ファストリ、東エレク、 ソニーG、フジクラが下落した。

10日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比105ドル11セント (0.24%)高の4万2866ドル87セントと3月上旬以来の高値で終えた。半導体やハイテ ク株の一角が買われ、投資家心理を支えた。一方、米中の閣僚級協議の結果を見 極めたい雰囲気も強かった。主要株価指数が高値圏で推移するなか、利益確定売り も出やすく、ダウ平均は下げる場面もあった。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、半導体受託生産最大手の台湾積体電路製造(T SMC)の米預託証券(ADR)が2%あまり上昇した。10日に発表した5月の売上高が 前年同月と比べ大幅に伸び、人工知能(AI)向け半導体の需要が引き続き強いとの 見方を誘った。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体関 連株全般への買いを支えた。
ハイテク株ではアルファベットが上昇した。傘下グーグルのクラウドサービスをオー プンAIが利用する計画だとロイター通信が10日に伝えた。テスラは5%あまり上昇し た。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)とトランプ米大統領の不和が懸念されて いたが、トランプ大統領はマスク氏の率いるスペースXが提供する衛星通信サービス の契約を切る計画はないと話したとロイター通信が9日に報じた。
ダウ平均の上値は重かった。米中両政府は10日、ロンドンで2日目の閣僚級協議を 開いた。中国によるレアアース(希土類)の輸出規制や米国の半導体規制を議論して いるとみられる。協議に参加するラトニック米商務長官が10日、「順調に進んでいる」 と記者団に話したと伝わった。「協議の継続は双方が合意したいという姿勢の表れ だ」(ボケ・キャピタル・パートナーズのキム・フォレスト氏)との声が上がった。一方、 結果を確認したい雰囲気は強く、積極的な売買は手控えられた。
米株式相場は4月に大幅に下げた後に急ピッチで回復してきただけに、高値警戒 感も重荷となった。11日には消費者物価指数(CPI)、12日は卸売物価指数(PPI)と 5月の米物価指標の発表が続く。「インフレ懸念が強まれば、相場の流れは変わりか ねない」(ミラー・タバックのマシュー・マリー氏)との見方もあった。
ダウ平均の構成銘柄では、ナイキやウォルト・ディズニー、メルク、シェブロンが買わ れた。半面、アナリストが投資判断を引き下げたマクドナルドは下げた。セールス フォースやトラベラーズ、シスコシステムズも下落した。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸した。前日比123.752ポ イント(0.63%)高の1万9714.989(速報値)と、連日で2月20日以来の高値で終えた。 メタプラットフォームズも買われた。
多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は前日比32.93ポイント (0.54%)高の6038.81と、2月20日以来の高値で終えた。
【日経QUICKニュース(NQN)】

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