本日の株式市況

モーニング・コメント

11日の東京株式市場で日経平均株価は続伸し、前日比776円98銭(1.43%)高の 5万5025円37銭で終えた。6日以来3営業日ぶりに節目の5万5000円台に乗せた。 米国時間10日に好決算を発表した米オラクル株が同日夕の時間外取引で上昇し たのを受け、ソフトバンクグループ(SBG)など人工知能(AI)・ハイテク関連株に買 いが入った。原油先物相場の上昇が一服し、物価高への過度な懸念が和らいだこ とも買い安心感につながった。日経平均の上げ幅は一時1400円を超えた。
オラクルの2025年12月~26年2月期決算は、売上高と純利益が市場予想を上回 り、AI開発企業向けのクラウド需要の強さが確認された。米国のAIインフラ整備計 画「スターゲート」にオラクルと共同で参画しているSBGのほか、アドテストやフジ クラなどAI・半導体関連銘柄に買いが波及した。これらの銘柄は日経平均への寄 与度も大きく、3銘柄の合計で日経平均を約474円押し上げた。
11日のアジア市場でもハイテク株買いの流れが広がった。ハイテク株比率が高 いとされる台湾加権指数や韓国総合株価指数(KOSPI)が上昇し、日本株相場の 追い風となった。主要国などが石油備蓄を放出するとの観測を受け、原油先物相 場が下落基調となっていることも買いを誘った。
もっとも混乱が続くイラン情勢を巡る不透明感は根強い。イランが影響力を持ち、 エネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡は事実上封鎖されたままで、原油価 格急騰への懸念もくすぶる。ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジ ストは「日本国内で原油高対策を求める声が一段と強まれば、高市早苗政権が進 める成長戦略がずれ込む可能性がある。中東の軍事衝突が収束しない限り5万 8000円の回復は見通せない」と話した。
日経平均は大引けにかけて急速に上げ幅を縮小した。英フィナンシャル・タイム ズ(FT)などは11日、米JPモルガン・チェースがプライベートクレジット(ノンバンク 融資)の貸し手に対し、一部のローンの評価を引き下げたと伝えた。信用不安が意 識され、午後に三菱UFJなど銀行株が弱含んだ。
東証株価指数(TOPIX)は続伸した。終値は34.57ポイント(0.94%)高の3698.85 だった。JPXプライム150指数は続伸し、11.94ポイント(0.78%)高の1538.31で終え た。
東証プライムの売買代金は概算で7兆2986億円、売買高は28億6195万株だった。 東証プライムの値上がり銘柄数は1030。値下がりは509、横ばいは56だった。
東エレクや住友電、レーザーテクが高い。任天堂やトヨタ、良品計画が上昇した。 一方、ファストリやKDDIが安い。TDKやオリンパスが下落した。

11日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落した。終値は前日比289ドル24セ ント(0.60%)安の4万7417ドル27セントと昨年12月上旬以来の安値だった。中東の緊 迫が続くなか、米原油相場が前日比で上昇したことなどが重荷だった。ダウ平均は 500ドルあまり下げる場面があった。
米国・イスラエルとイランの軍事衝突を巡る不透明感から投資家が運用リスクを取 りにくい地合いだった。市場では「ニュース次第で相場が大きく動くため、投資家が神 経質になりやすい状況が当面続く」(シーミス・トレーディングのジョゼフ・サルッジ氏) との声があった。
トランプ米大統領は11日にも記者団に対し、「彼ら(イラン)は海軍も空軍も失った。 指導者もいない」などと述べた。米ニュースサイトのアクシオスとの電話インタビュー では改めて軍事作戦の終わりが近いとの見解を示した。
一方、イランは徹底抗戦の構えを崩していない。11日には中東に展開する米系の 金融機関を攻撃対象にすると警告したと伝わった。エネルギー輸送の要衝であるホ ルムズ海峡の事実上の封鎖が長引くとの警戒も根強い。
11日にはホルムズ海峡を含むイラン周辺で3隻の船舶が攻撃を受けたと英海事機 関UKMTOが報告するなど、ペルシャ湾では船舶への攻撃が相次いでいる。イラン がホルムズ海峡で機雷の敷設を始めたことに対し、米軍が機雷敷設艦を追撃してい るが、輸送の正常化には時間がかかると見方が広がった。
米原油先物市場ではWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近の4月 物が1バレル89ドル近辺と前日比で6%あまり上昇する場面があった。国際エネル ギー機関(IEA)加盟国が4億バレルの石油備蓄の協調放出を決めたことを受けて水 準を切り下げる場面があったが、売りは続かなかった。
石油備蓄を放出しても、原油以外のサプライチェーン(流通網)の混乱解消には効 果がない。インフレやコスト増が企業業績や個人消費を下押しするスタグフレーション への懸念が強かった。
11日発表の2月の米消費者物価指数(CPI)は前月比の上昇率が0.3%、前年同月 比で2.4%上昇とダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想と一致した。ただ、エネル ギー高が物価を押し上げる要因となる可能性が高まっている。米長期金利は一時、 前日比0.06%高い(債券価格は安い)4.22%とおよそ1カ月ぶりの水準に上昇した。
ダウ平均の構成銘柄ではシャーウィン・ウィリアムズやホーム・デポ、ビザ、プロク ター・アンド・ギャンブル(P&G)など景気敏感株や消費関連株が下げた。半面、シェ ブロンやユナイテッドヘルス・グループ、エヌビディアなどが上げた。
ダウ平均の構成銘柄ではないがオラクルは9%あまり上昇した。10日夕に発表した 四半期決算や売上高見通しが市場予想を上回った。人工知能(AI)インフラ需要が 追い風となる半導体などデータセンター関連株の一角にも買いが入った。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は小幅に3日続伸した。終値は前 日比19.031ポイント(0.08%)高の2万2716.135(速報値)だった。オラクルの決算でAI 関連需要の強さが確認され、半導体メモリーのマイクロン・テクノロジーやサンディス クが買われた。テスラも高かった。一方、ネットフリックスが下落した。
【日経QUICKニュース(NQN)】

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