本日の株式市況

モーニング・コメント

5日の東京株式市場で日経平均株価は続落した。前日比882円57銭(1.31%)安 の6万6588円12銭で終えた。前日の米半導体株安を受け、東京市場では相場上 昇をけん引してきた人工知能(AI)・半導体関連株に利益確定売りが膨らんだ。日 経平均は下げ幅を1600円あまりに広げて節目の6万6000円を割り込む場面があっ たものの、出遅れ銘柄への物色が支えとなり次第に下げ渋った。
4日の米株式市場では米半導体大手ブロードコムがAI半導体の売上高見通しを 据え置いたのをきっかけに株価が急落。主要な半導体銘柄で構成するフィラデル フィア半導体株指数(SOX)が2%あまり下げるなど関連株に売りが及んだ。東京 市場ではAI・半導体関連株が大きく売られ、東エレクとアドテスト、イビデンの3銘 柄だけで日経平均を850円あまり下押しした。
立花証券の鎌田重俊参与は「半導体関連の一部はこれまでの急ピッチの上昇で 『高所恐怖症』に陥る投資家も出ており、いったん利益確定売りが出ている」と指摘 する。来週12日には米宇宙会社スペースXが上場すると見込まれ、大型の新規株 式公開(IPO)に向けて換金売りが出やすくなるとの見方もAI・半導体関連株の下 げにつながったとみていた。
日経平均は大引けにかけて下げ渋った。5日夜には5月の米雇用統計が発表さ れる。内容次第では米連邦準備理事会(FRB)の利上げ転換を後押しするとの見 方もくすぶり、様子見ムードが強まった。キオクシアやTDKなどAI・半導体関連株 の一部には押し目とみた買いが活発となったのも、日経平均を下支えした。
東証プライム市場では値下がり銘柄数が340と全体の約2割にとどまった。8割 近くにあたる1196銘柄は上昇し、横ばいは28だった。業種別では海運や保険、不 動産などAI・半導体関連株に比べて出遅れていた銘柄への買いが目立ち相場の 支えとなった。
東証株価指数(TOPIX)は小幅ながら続落し、終値は2.76ポイント(0.07%)安の 3949.09だった。JPXプライム150指数も続落し、3.83ポイント(0.23%)安の1658.28 で終えた。
東証プライムの売買代金は概算で9兆8535億円、売買高は22億2895万株だった。
京セラや信越化、ファナックが下げた。一方、ソフトバンクグループ(SBG)やトレ ンド、第一三共は上げた。

5日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、終値は前日比695ドル15セント(1.34%)安の5万0866ドル78セントだった。同日発表の5月 の米雇用統計は市場予想を上回る伸びを示し、米労働市場の改善を示す内容だと受け止められた。米連邦準備理事会(FRB)が当面、政策金利を現行の水準で維持する との見方が一段と強まり、売りが優勢だった。ダウ平均の下げ幅は700ドルを超える場面があった。
5月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数が前月比17万2000人増と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(8万人増)を上回った。3月と4月分は上方修正された。 失業率は4.3%と前月から変わらず、市場予想に一致した。
米国では原油価格の高止まりによるインフレ再燃への懸念があるなかで、労働市場の悪化が一服し改善方向にあるとの見方が出ている。FRBが政策金利を据え置き、 「年内に利上げに踏み切る可能性が浮上した」(Bライリーのアート・ホーガン氏)との声が聞かれた。
5日の米債券市場では長期金利が一時、前日終値に比べ0.08%高い(債券価格は安い)4.55%と、5月下旬以来の高水準を付けた。金利の上昇で、株式の相対的な割高感 が意識された。
人工知能(AI)関連銘柄の下げも目立った。米新興アンソロピックは4日に公開したブログで、AIの自律的な性能の向上が進んでいると指摘した。「AIの開発を減速したり、 一時的に停止する選択肢を世界が持つことが好ましいと考えている」との考えを示した。社会制度などが技術の進歩に追いつく時間を確保できるからだとしている。
AI開発による半導体需要の拡大期待から、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は前年末から4日終値時点で90%あまり上昇していた。市場では「期待が高く、失望を誘 うような材料が出ると売りで反応しやすい」(マーフィー・アンド・シルヴェスト・ウェルス・マネジメントのポール・ノルティ氏)との指摘があった。
来週にはスペースXの新規株式公開(IPO)を控える。資金調達額は過去最大規模になるとみられ、投資家が必要な資金を確保するためにAI関連銘柄を売ったとの声も聞 かれた。ダウ平均の構成銘柄ではエヌビディアやシスコシステムズ、キャタピラーが売られた。
そのほかのダウ平均の構成銘柄ではIBMやゴールドマン・サックス、マイクロソフトが売られた。ハネウェル・インターナショナルとナイキも安い。半面、プロクター・アンド・ ギャンブル(P&G)やコカ・コーラが上昇した。
ダウ平均は週間で165ドル下げた。週間での下落は3週ぶりだった。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日続落した。終値は前日比1121.526ポイント(4.17%)安の2万5709.432(速報値)だった。1日の下落率は2025年4月以 来の大きさだった。マイクロン・テクノロジーやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が下げた。週間では4.6%安だった。3週ぶりに下落し、週間での下落率は25年3月以来 の大きさだった。
カナダのスポーツ衣料のルルレモン・アスレティカが8.5%安で終えた。4日夕に発表した26年2~4月期決算とあわせて発表した27年1月期通期の収益見通しを前回予想 から下方修正したことが嫌気された。
フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は大幅に続落し、終値は前日比10.25%安の1万2220.760だった。1日の下落率は20年3月以来の大きさだった。
【日経QUICKニュース(NQN)】

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