本日の株式市況

モーニング・コメント

12日の東京株式市場で日経平均株価は3日ぶりに反落し、終値は前日比572円41銭 (1.04%)安の5万4452円96銭だった。下げ幅は一時1200円を超えた。中東情勢の混乱 が続くなかで原油先物相場が上昇基調を強め、原油高を通じたインフレ再燃や景気減 速を懸念する売りが優勢だった。東京市場では株、債券、円が売られる「トリプル安」と なった。
東証プライム市場では値下がり銘柄数が全体の9割強を占めた。日本時間12日の取 引で米指標油種のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近4月物が1バ レル90ドル台半ばまで上昇した。米国・イスラエルとイランの軍事衝突は激しさを増し、 エネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡のイランによる事実上の封鎖が続く。物価 高と景気の停滞が併存するスタグフレーションのリスクが意識され、投資家がリスク回 避姿勢を強めた。
12日は台湾加権指数や韓国総合株価指数(KOSPI)などアジア各国・地域の株価指 数が軟調だった。日本時間同日の時間外取引では米ナスダック100指数の先物「Eミ ニ・ナスダック100」など米株価指数先物も下落し、日本株を下押しした。
米国のプライベートクレジット(ノンバンク融資)を巡る不透明感もあり、金融株の下げ が目立った。米ブルームバーグ通信は12日、「米金融大手モルガン・スタンレーは、同 社のプライベートクレジットファンドの一つについて償還上限を設けた」と報じた。米銀最 大手JPモルガン・チェースによるプライベートクレジットの融資制限が伝わったばかりと あって、ファンド融資先の信用リスクが意識されやすかった。三菱UFJなどの銀行株や 第一生命HDなどの保険株が売られた。
日経平均は大引けにかけて下げ渋った。13日は株価指数先物・オプション3月物の特 別清算指数(SQ)が算出される。フィリップ証券の増沢丈彦株式部トレーディング・ヘッ ドは「SQ算出に伴う持ち高調整の売買が一巡したうえ、中東情勢の悪化を受けたリス ク資産圧縮の動きも一服し、午後は様子見姿勢の投資家が多かった」と話した。来週 以降はイラン情勢を見極めながら、買い持ち高を積み増す検討に入る機関投資家が増 えそうだとの見方も示した。
東証株価指数(TOPIX)は3日ぶりに反落した。終値は49.00ポイント(1.32%)安の 3649.85だった。JPXプライム150指数も3日ぶりに反落し、12.85ポイント(0.84%)安の 1525.46で終えた。
東証プライムの売買代金は概算で7兆4071億円、売買高は25億9180万株だった。東 証プライムの値下がり銘柄数は1473。値上がりは105、横ばいは16だった。
ソフトバンクグループ(SBG)やアドテスト、東エレクが安い。トヨタや住友電、三井物 が下落した。三井不や住友不も売られた。一方、ファストリや信越化、任天堂が高い。 三菱重や川重、日製鋼が上昇した。

12日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落し、終値は前日比739ドル42セント (1.55%)安の4万6677ドル85セントだった。昨年11月下旬以来の安値。中東情勢の緊迫を 背景に原油先物相場が再び騰勢を強め、投資家心理が悪化した。金融株に売りが広がっ たことも、指数を押し下げた。
事実上の封鎖状態にあるホルムズ海峡を巡り、イランの新しい最高指導者モジタバ・ハメ ネイ師は12日、封鎖を継続すると表明したと伝わった。米国・イスラエルとイランの軍事衝 突が続くなか、海峡周辺だけでなく、ペルシャ湾周辺などで船舶への攻撃が相次いで報じ られている。
中東からのエネルギー供給の早期回復は難しいとの見方が強まり、米原油先物相場は 一段高となった。12日の米原油先物市場でWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート) の期近4月物は1バレル97ドル台前半と、前日終値(87.25ドル)を大幅に上回る場面があっ た。
原油高がインフレ圧力を強め、米連邦準備理事会(FRB)が利下げに動きにくくなるとの 観測も株式相場の重荷となっている。米経済や金融政策を巡る不透明感を背景に景気敏 感株や消費関連株の一角に売りが出やすかった。ダウ平均の構成銘柄以外では、原油高 の影響を受けやすい空運株やクルーズ船株の下げも目立った。
金融株が軒並み売られたことも、投資家心理の悪化につながった。ダウ平均の構成銘柄 ではないが、モルガン・スタンレーが4%安となった。投資家からの解約請求の増加を背景 に、プライベートクレジット(ノンバンク融資)ファンドの1つで引き出しを制限したことを11日 に明らかにした。
このところノンバンク融資のファンドによる解約制限や融資の厳格化に関する材料が相次 いでおり、売りは他の金融株にも波及した。市場では「プライベートクレジットを巡る不透明 感も相場の重荷になった」(グリーンウッド・キャピタル・アソシエーツのウォルター・トッド氏) との声が聞かれた。
ダウ平均の構成銘柄ではゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースが下げた。ボー イングやスリーエム(3M)、ナイキも売られた。ユナイテッドヘルス・グループとホーム・デポ も安かった。半面、原油高を背景にシェブロンは買われた。セールスフォースも高かった。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反落し、終値は前日比 404.155ポイント(1.77%)安の2万2311.980(速報値)だった。11月下旬以来の安値となった。 アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やマイクロン・テクノロジーなど半導体関連株が売 られた。メタプラットフォームズとテスラも下げた。
【日経QUICKニュース(NQN)】

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