本日の株式市況

モーニング・コメント

9日の東京株式市場で日経平均株価は小幅に続伸し、終値は前日比73円16銭(0.14%)高 の5万0655円10銭だった。8日の米株式市場で半導体関連が上昇した流れを引き継ぎ、9日 の東京市場でも値がさの半導体関連が買われた。日経平均は上げ幅を一時200円強に広げ たが、積極的な上値追いの動きは限られた。日本時間11日早朝に12月の米連邦公開市場委 員会(FOMC)の結果が公表されるとあって、主力株には持ち高調整の売りが出やすく、日経 平均は下落する場面も目立った。
8日の米市場では主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX) が続伸し、およそ1カ月ぶりに最高値を更新した。米半導体大手エヌビディアなどが買われ、9 日の東京市場でも東エレクやディスコなど値がさの半導体関連銘柄に買いが波及した。人工 知能(AI)がロボットや機械を自律的に制御する「フィジカルAI」の関連銘柄も上昇が目立った。 ファナックは7年11カ月ぶりの高値を付けた。安川電や川重なども上昇し、相場全体を押し上 げた。
日経平均は下落する場面もあった。東証プライム市場では値下がり銘柄数が全体の6割を 占めた。9日の国内債券市場では長期金利が低下(債券価格は上昇)したが、国内金利の先 高観はなお根強い。9日夕には日銀の植田和男総裁が英フィナンシャル・タイムズ(FT)のイ ベントで同紙のコメンテーターと対談する。インフレや金利上昇、財政への影響などについて 議論する。日本時間11日早朝にはFOMCの結果公表を控え、重要イベントを前に主力株に は売りが出やすかった。
フィリップ証券の増沢丈彦株式部トレーディング・ヘッドは「市場では日銀による12月の金融 政策決定会合での利上げと、米連邦準備理事会(FRB)による12月利下げが相当程度織り込 まれたが、日米中銀ともに市場の見立て通りに動かないリスクも警戒され、持ち高を一方向に 傾ける動きは限られた」と話した。増沢氏は高市早苗内閣の高い支持率を踏まえ、2026年中 に衆院解散・総選挙に踏み切るとの見方が意識されていることは相場の支えになっているとも 指摘した。
東証株価指数(TOPIX)は続伸した。終値は0.61ポイント(0.02%)高の3384.92だった。JPX プライム150指数も続伸し、0.15ポイント(0.01%)高の1459.73で終えた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆8935億円、売買高は20億4509万株だった。東証プラ イムの値上がり銘柄数は567。値下がりは971、横ばいは70だった。
ソフトバンクグループ(SBG)とレーザーテクが高い。イビデンと住友電も上昇した。塩野義と 第一三共も買われた。一方、ファストリが安い。TDKとダイキンが下落した。任天堂やコナミG、 三井不が売られた。

9日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、終値は前日比179ドル03セント (0.37%)安の4万7560ドル29セントだった。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公 表を10日に控えて様子見の雰囲気が強かった。利下げを織り込んで上昇してきた後で、 積極的な買いは手控えられた。
米連邦準備理事会(FRB)は9~10日に開くFOMCで0.25%の追加利下げを決める公 算が大きい。ただ、インフレ高止まりへの警戒は根強い。11月中旬まで続いた米政府機 関の一部閉鎖の影響で経済指標の発表に遅れが出ており、今後の政策運営は見通し にくい。
市場では「FRB内でも意見が割れるなか、今後の政策見通しに対してどういうトーンを 示すのか注目している」(Bライリーのアート・ホーガン氏)との声が聞かれた。パウエル 議長の記者会見やFOMC参加者の政策金利見通しを見極めたい投資家が多かった。
12月会合での利下げ観測を背景に米株式相場は過去2週間ほどで水準を切り上げ、 ダウ平均は11月12日に付けた最高値(4万8254ドル)に近づいた。高値警戒感もくすぶり、 主力株の一角には利益確定や持ち高調整の売りが出やすかった。
JPモルガン・チェースが4%あまり下げ、ダウ平均の重荷となった。9日にゴールドマ ン・サックスが主催した会合で2026年の費用が市場予想を上回る水準に膨らむとの見通 しを示し、嫌気した売りが出た。
ダウ平均は午前中に上げ幅が200ドルを超える場面もあった。相対的にみて出遅れ感 があったディフェンシブ株や消費関連株などの一角に買いが入り、指数を下支えした。
9日に発表された10月の米雇用動態調査(JOLTS)では、求人件数(非農業部門)が 767万件と市場予想を上回った。一方、レイオフ(一時解雇)は9月と比べ増えた。「FRB が10日に利下げするとの判断を変えるものではない」(コメリカ・バンクのビル・アダムズ 氏)と受け止められ、相場の反応は限られた。
個別銘柄ではエヌビディアも安かった。米政府が対中輸出を認めた人工知能(AI)半導 体「H200」を巡り、中国が一定の制限を検討していると英紙フィナンシャル・タイムズ(F T)が9日報じた。9日示した27年1月期通期の収益見通しが市場予想に届かなかった ホーム・デポも下げた。
ボーイングやベライゾン・コミュニケーションズも売られた。半面、ゴールドマン・サックス やウォルマート、シスコシステムズ、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は上昇した。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発した。終値は前日比30.582ポイ ント(0.12%)高の2万3576.486(速報値)だった。テスラやアルファベットが上昇した。
【日経QUICKニュース(NQN)】

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