「たぱぞう」の米国株一択!(4) 年代別の投資への取り組み方

2023/6/30

米国株の情報を発信するブロガーで、ベストセラー『お金が増える 米国株超楽ちん投資術』の著者・たぱぞう氏が、これから米国株投資を始めようと考えている読者に向けて投資の秘訣を4回に分けて伝授します。最終回は、年代別の投資への取り組み方です。

投資は早い時期からスタートしたほうが有利

若いうちは給料も少なく、将来に向けての資産形成や老後の資金についてはなかなか考えられないもの。でも、長期目線での資産形成については、できるだけ早い時期からスタートしたほうが圧倒的に有利です。

私は20代のころから漠然とではありますが、自分の将来設計について考えていました。当時は勤め人でしたので、50歳になったら早期優遇退職で満額もしくはそれ以上の退職金をもらい、それまで資産運用でコツコツと貯めた資金を持って海外移住できたらと思っていました。30歳になってベトナムに赴任し、さらにその思いは強くなりました。

日本人は勤勉でとてもまじめです。勤め人であれば、「丁寧で細かく良い仕事をする」のが当たり前。一方、ベトナムの人たちは「フィーの範囲で要領良く仕事をこなし、副業も多い」というのが私の印象でした。仕事に関する“モノサシ”がまったく異なっていたのです。その環境が私にはとても居心地良く感じられました。その後、日本に戻ってきたのですが、社会復帰できるまでに3年間ぐらいの“リハビリ”が必要でした(笑)。

私はすでにFIRE(経済的自立による早期退職)しているため、今では自由な生活を送っています。そのため、以前ほど海外移住には魅力を感じなくなりましたが、漠然とやはり心のどこかで憧れはありますね。では、ここからは私が考える年代ごとの資産形成についてお話させていただきます。

時間的余裕がある30代は株式投資を中心に

まずは30代。サラリーマンにとっては、仕事で自己実現するためにがむしゃらに働く大切な時期かもしれません。老後の資金を考えると、まだ時間的余裕はたくさんあります。運用期間が長いので、ここでは株式投資の比率は高めに設定したほうがよいと思います。

私の肌感覚となりますが、私がおすすめする米国の主要株価指数である「S&P500」への投資では、控えめに見積もって年間で4~5%の運用成績が見込めると考えています。もちろん年ごとにパフォーマンスは異なりますが、長期間で考えるとそれくらいの運用成績は見込めるのではないでしょうか。なかには「リーマンショック」や「コロナショック」のように株式市場が急落する年があるかもしれません。多くの投資家が持ち株を狼狽売りし、株式市場が急落したようなときは投資する資金を増やすなど、緩急をつけるとさらにパフォーマンスを高めることができる可能性があります。

実際、私はそうやって資産をふやしてきました。株式の比率は7割程度あってもよいのではないでしょうか。極端な話、30代で独身であれば、株式の比率は10割でもよいと思います。また、現在はネットなどで運用のシミュレーションツールもたくさんありますので、それらを活用して家族で将来の計画を立ててはいかがでしょうか。

  1. たぱぞうさん個人の見解であり、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が上記比率での運用を推奨しているものではありません。

投資の分散先を考える40代

40代になると、そろそろ自分の仕事の成果が見えてくるはずです。このままやり抜くのか、もしくは見切りをつけて資産運用に軸足を移すのかを考えたい年代です。これまでに築き上げてきた資産で、不動産など異なる分野に投資するのもおもしろいと思います。また、副業的なものに資産を投じたり、役に立つ資格を取ったりするのもよいでしょう。とにかく、仕事と自分とのかかわり方を見つめなおす世代だと思います。

投資に対するリスク・リターンの考え方は、30代と比べて若干保守的にならざるを得ません。すでに資産が5,000万円や1億円を超えている人は、投資の分散先を真剣に考えてみてください。私も株式以外への投資を始めたのは40代でした。当時は債券投資が一般的でしたが、私は不動産と太陽光発電への投資に軸足を置きました。2022年は、本来、逆相関の関係にある株式と債券が同時安という珍しい年になり、当時の私の選択は間違っていなかったことがある意味はっきりしました。ただ本稿を執筆している2022年12月初旬時点では、債券価格は上昇に転じています(利回りは低下)。為替リスクもありますが、米国債や債券に連動するETF(上場投信)などに投資妙味があると思います。

  1. S&P500種株価指数は10月半ばにかけて下落基調をたどり、米10年物国債の利回りは10〜11月にかけて4%を上回りました(債券価格は下落)。

制度の後押しによって可能性が出てきた50代

さて、問題は50代です。老後への時間的余裕はありません。かといって、“一発逆転的”な運用はあまりにも危険です。本来であれば、ここまで資産をつくってこなかった人には厳しい現実が待ち受けていることになるのですが、実はまだ取り返すチャンスはあります。それが2024年からスタートする「新NISA」(少額投資非課税制度)の活用です。詳しい制度内容は割愛しますが、政府が掲げる「資産所得倍増プラン」や「貯蓄から投資へ」といったキーワードのもと、個人の資産形成の後押しをしてくれるというありがたい制度です。従来のNISAで資産をつくった成功者たちもネットなどで体験談を公開しているので、ぜひ、参考にしてみてください。連載の第3回でもお伝えしましたが、新NISAでは非課税期間が恒久化し、非課税限度枠も大幅に拡大されました。だからまだ間に合う、と言えるのです。

よく受ける質問に「長期投資には、世界分散投資と米国株投資のどちらがよいのか」というものがあります。これは投資スタンスによっても異なるので、一概には言えません。世界分散型は、米国一極集中投資が怖いと感じる人向け。ポートフォリオの米国色を薄めることで、米国がダメになったときにもほかの覇権国に自動的に軸足を移してくれます。

一方で、米国株型は、米国が資本主義においては最も効率的だと考える人。成長性も先進国にしてはありますし、法整備もしっかりされています。資本主義の恩恵を最大限受けるという意味では効率的だと思います。私は“米国株一択”でしたが、これまでの実績を見る限り、それで正解だったと思います。ただ、時代によって変化はありますので、まずは自分でストーリーを考えること。もしも迷ったら、半分半分でやってみるとういうのもひとつの選択肢です。

一昔前までは、投資は少数の人たちがやるものでした。でも、年金がそれほど当てにならない現代では、将来への資産形成はとても大切です。「いまある収入は、いまの生活と将来の生活の原資」なのです。これをすべて使い切らずに将来のための投資に回すことを心掛けてください。

たぱぞう

たぱぞう

たぱぞう

2000年より投資をスタート。2010年以降は、米国株中心の投資にシフト。2016年、自らの投資観をブログにて書き始める。現在平均月間100万PV。「誰でもできる投資術」「誰でもわかる海外投資」をモットーに執筆中。2019年刊の初著書『お金が増える 米国株超楽ちん投資術』がベストセラーに。近著に『経済的自由をこの手に! 米国株で始める 100万円からのセミリタイア投資術』(小社刊)、『初めてでも儲かるたぱぞう式投資のキホン』(きずな出版)など。YouTubeチャンネル「たぱぞう投資大学」の登録者数は現在20万人。

オフィシャルサイト:たぱぞうの米国株投資
SNS:@tapazou29

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