本業を通じた取り組み
ビジネスを通じた環境、社会への貢献
ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取った言葉です。 世界の年金基金等をはじめとする投資家は、安定した投資収益を獲得するため、企業評価において、業績見通しや財務情報だけでなく、ESG等の非財務情報を考慮する傾向を強めています。
個別案件
- 関西電力による国内の太陽光発電事業を投資対象とするファンドの設立
- 北海道電力およびアークによるオフサイトコーポレートPPAを活用した太陽光発電事業ファンドの組成
- プレグリップホールディングスによるグリーンプロジェクトボンドを活用した太陽光発電所開発案件
- 三菱マテリアルによるトランジション・リンク・ボンドの発行およびトランジション・リンク・ローンの実行
- 特別高圧太陽光発電所を対象とする私募ファンド組成
- 第二電力による太陽光発電所301カ所を運営する特別目的会社の出資持分売却
- JERAによるベルギーの大手洋上風力発電事業者Parkwind社の買収
- キリンホールディングスによる国内の食品企業として初のトランジション・リンク・ローンの実行
- PowerXによる第三者割当増資を通じたシリーズAラウンド総額約51億円の資金調達
- ベースフードによる東証グロース市場へのIPO
- 高圧・低圧太陽光発電事業を行う非上場会社の株式譲渡
- 三重県によるみえグリーンボンド発行
- 三菱重工業株式会社によるトランジションボンド
- 三菱地所株式会社によるサステナビリティ・リンク・ボンド
- 出光興産株式会社による石油セクター初のトランジションボンド
- ENEOSホールディングス株式会社による本邦初のトランジション・リンク・ボンド
- 株式会社JERAによる電力セクター初のトランジションボンド
- Spiber 株式会社による事業価値証券化スキームを利用した資金調達
関西電力による国内の太陽光発電事業を投資対象とするファンドの設立
2024年5月、関西電力株式会社(以下、関西電力)は、国内の太陽光発電事業を投資対象としたKXリニューアブルエナジー1号投資事業有限責任組合(以下、本ファンド)を設立しました。関西電力が再生可能エネルギー電源を投資対象としたファンドを設立するのは、今回が初めてとなります。 本ファンドのファンド規模は100億円で、存続期間は25年となります。また、本ファンドの目的は、投資家に対してESG投資の機会を提供しつつ、価格競争力の高い再生可能エネルギー電源を開発し、再生可能エネルギー由来の電力と環境価値を需要家に提供することによりゼロカーボン社会の実現に貢献することです。 関西電力は出資するKXリニューアブルエナジー合同会社がファンド運営を行い、コーポレートPPAを行う太陽光発電事業へ投資を行います。 当社はフィナンシャル・アドバイザーとして、ファンド組成及び資金調達にかかるサポートならびに、私募の取扱業務の提供を行いました。
関西電力ホームページ:https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2024/pdf/20240501_2j.pdf
北海道電力およびアークによるオフサイトコーポレートPPA*1を活用した太陽光発電事業ファンドの組成
2023年7月、北海道電力株式会社(以下、北海道電力)及び株式会社アーク(以下、アーク)は両社出資により「合同会社HARE晴れ」(以下、GK)を設立し、オフサイトコーポレートPPA向けの太陽光発電所の共同開発事業を開始しました。本件は、EPC*2事業者たるアークが北海道千歳市・北広島市において、10ヶ所・計約16MWの太陽光発電所を順次建設してGKに組み入れ、その後も道内各地において新規開発を拡大していく予定です。なお、スポンサーである北海道電力においては、道内初のオフサイトコーポレートPPA事業への取り組みであること、及び北海道が推進する「ゼロカーボン北海道」の達成に寄与するファンドとして非常に高い取り組み意義を有する案件となります。
当社は単独フィナンシャル・アドバイザーとして、ファンド組成及びプロジェクトファイナンス調達のサポートを実施しました。
*1 | オフサイトコーポレートPPA(Power Purchase Agreement)とは、発電事業者が電力需要施設と離れた場所に太陽光発電設備の設置を行い、小売電気事業者が電力系統を経由して太陽光発電設備で発電した再エネ電力を特定の需要家に長期にわたって供給する電力購入契約です |
*2 | EPC(Engineering, Procurement and Construction)とは、プロジェクトにおいて設計・調達・建設を行う事業者の呼称です |
北海道電力ホームページ:https://www.hepco.co.jp/info/2023/1252189_1972.html
プレグリップホールディングスによるグリーンプロジェクトボンドを活用した太陽光発電所開発案件
2023年11月17日、株式会社プレグリップホールディングスをスポンサーとするPG串間メガソーラー2号合同会社は、宮崎県及び鹿児島県に所在する太陽光発電所1サイトを対象としたグリーンプロジェクトボンド(ABL / 受益権)での資金調達を実施しました。本発電所の運転開始は2025年4月頃を予定しており、本グリーンプロジェクトボンドは建設期間を含むファイナンスとして調達されています。なお、本件は信託方式を活用することにより、資本的関係及び人的関係に関するリスクにつき、合同会社からのリスク隔離を実施。加えて投資家の投資判断根拠として、借入人側でのデューディリジェンスに加え格付機関(R&I)より投資適格の信用格付(BBB)を取得しています。
当社は、本件の組成にかかる引受、及び資金調達にかかるストラクチャリングの支援を実施しています。
三菱マテリアルによるトランジション・リンク・ボンドの発行およびトランジション・リンク・ローンの実行
三菱マテリアルは2045年をカーボンニュートラル実現の目標年に定め、同社グループが強みを有する地熱発電などの再生可能エネルギーの開発、利用拡大を進めています。
これらの取り組みの推進等に向けた資金調達を目的として、トランジション・リンク・ボンドの発行およびトランジション・リンク・ローンを実行しました。
本ファイナンス実行にあたって、同社は、産業競争力強化法に基づく事業適応計画の認定に伴い、「成果連動型利子補給制度(カーボンニュートラル実現に向けたトランジション推進のための金融支援)」の適用を受けるとともに、経済産業省による「令和5年度温暖化対策促進事業費補助金」の助成に採択されました。
当社は、本件においてストラクチャリング・エージェントを務め、またトランジション・リンク・ローンについては三菱UFJ銀行がアレンジャーとなり、MUFGグループ一体で支援を実施しました。
再生可能エネルギー事業の例(大沼地熱発電)
地熱発電のさらなる拡大、風力発電、発電関連等事業領域の拡大により、再生可能エネルギー電力自給率100%に向けた再生可能エネルギー発電の拡大をめざします。
ニュースリリース:https://www.sc.mufg.jp/company/news/000021946.pdf
特別高圧太陽光発電所を対象とする私募ファンド組成
2023年3月、双日グループが運営する国内3か所の特別高圧太陽光発電所プロジェクト(以下、「対象資産」)の出資持分の取得・組入を前提とした再生可能エネルギーファンドとしてMIRAI POWER1号合同会社(以下「本ファンド」)を双日株式会社と共同組成しました。
MUMSSは、本ファンドのファイナンシャルアドバイザーとして本件組成に係る資金調達並びに対象資産取得に係る一連のプロセスをサポートし、みずほリース株式会社をスポンサーとして招聘の上で本ファンドにて対象資産の取得を行っております。対象資産は、青森県上北郡六ヶ所村、茨城県高萩市、三重県鳥羽市において稼働する特別高圧発電所であり、出力規模は合計128MWとなります。
本ファンドでは、今後も再生可能エネルギー資産の追加取得・組入を実施する想定です。
尚、双日グループの双日ミライパワー株式会社は、アセットマネージャーとして引き続き本ファンド及び組入資産の事業運営を実施していきます。
第二電力による太陽光発電所301カ所を運営する特別目的会社の出資持分売却
第二電力株式会社(第二電力)は、太陽光パネルメーカーである長州産業株式会社のグループ企業として、太陽光発電事業に取り組んでいます。2012年の創業以来、現在までに1,800カ所(2023年3月)を超える太陽光発電事業所を設立しています。約200~400件の発電所を1プロジェクトとして仕上げ、プロジェクト単位で設立した特別目的会社にて投資家や金融機関からの資金の調達、設備や収入等の管理を行っています。
弊社は、第二電力が設立した特別目的会社における出資持分の売却案件にファイナンシャルアドバイザーとして関与しました。北関東・東北地方を中心に所在する301カ所・合計29.6MWの太陽光発電所を有する特別目的会社の出資持分につき、弊社再生可能エネルギー領域の知見を基に、売却のプロセスを一気通貫してサポートしました。
JERAによるベルギーの大手洋上風力発電事業者Parkwind社の買収
2023年3月22日、株式会社JERA(JERA)は、ベルギーの大手洋上風力発電事業者であるParkwind NV (Parkwind)の株式100%を約15.5億ユーロで取得する株式売買契約を締結したことを公表しました。
Parkwindは、欧州の洋上風力発電事業において、10年以上の開発・建設・運転にかかる実績を有するベルギーの大手洋上風力発電事業者です。 ベルギーで4つの洋上風力発電プロジェクト(総発電容量77.1万kW、同社持分容量42万kW)を運営するとともに、ドイツにおいて建設中の洋上風力発電プロジェクト(発電容量25.7万kW、同社持分容量18万kW)を手掛けています。さらに、欧州を中心とした開発中の洋上風力発電プロジェクト(同社持分容量452.6万kW)を保有しています。
JERAは、2035年に向けたビジョンとして「再生可能エネルギーと低炭素火力を組み合わせたクリーンエネルギー供給基盤を提供することにより、アジアを中心とした世界の健全な成長と発展に貢献する」ことを掲げており、本買収を通じ、クリーンエネルギー供給基盤の構築に向けた動きを加速する方針です。
当社は、JERAの単独ファイナンシャルアドバイザーを務め、グローバルの知見を結集し本買収実現のサポートをしました。
キリンホールディングスによる国内の食品企業として初のトランジション・リンク・ローンの実行
キリンホールディングスは長期的な環境取り組みの方針として「キリングループ環境ビジョン2050」を掲げており、気候変動対策においては“2050年までにバリューチェーン全体のGHG排出量をネットゼロにする”という目標と、トランジションロードマップを策定し、脱炭素に向けた取り組みを進めています。
同社は、国内の食品企業として初めてトランジション・ファイナンス関連指針等に適合したフレームワークを策定し、独立した第三者よりセカンド・パーティ・オピニオンを取得しました。
また産業競争力強化法に基づく事業適応計画の認定による成果連動型利子補給制度(カーボンニュートラル実現に向けたトランジション推進のための金融支援)の適用に加え、経済産業省による令和4年度温暖化対策促進事業費補助金に採択され、補助金審査委員より、キリンホールディングスのトランジション戦略は非多排出産業のベンチマークになりうるとの評価を受けています。
当社は、本件においてストラクチャリング・エージェントを務め、また三菱UFJ銀行が貸付人となり、MUFGが一体となって支援しました。
PowerXによる第三者割当増資を通じたシリーズAラウンド総額約51億円の資金調達
2021年設立の株式会社パワーエックス(PowerX)は、独自の蓄電池設計製造技術を有し、蓄電・送電技術の進化において新規事業を展開するエネルギースタートアップです。定置用蓄電池や電池搭載型の超急速EV充電器等の開発販売、EV普及に不可欠な充電ステーションの全国展開や、蓄電池に電気を貯めて輸送する「電気運搬船」の製造に取り組んでいます。現在、安価で高性能な蓄電池を大量生産する、日本最大級の蓄電池組み立て工場を建設中です。MUMSSはシリーズA単独ファイナンシャルアドバイザーとしてプロジェクトの資金調達をサポート。資金調達総額は50.7億円(2022年8月)となりました。
調達した資金は工場の立ち上げ及び定置用蓄電池、電池搭載型の超急速EV充電器等の製品生産・出荷に投資します。両製品の22年末時点での累計予約受注残は、1,816億円(330万kWh)を突破しました。EVチャージステーション事業発表、船舶用蓄電池の先行受注を開始するなど、順調にマイルストーンをクリアしています。
ベースフードによる東証グロース市場へのIPO
2016年創業のベースフードは、「主食をイノベーションし、健康をあたりまえに。」をミッションに掲げ、完全栄養の主食*を中心としたBASE FOODシリーズの企画・開発・販売を行う世界初のフードテックスタートアップ企業です。
当社商品は小麦のふすまや米糠など従来多くが廃棄される原材料を利用することでフードロスの削減に貢献する他、商品に含まれるたんぱく質は植物性たんぱく質であり、生産の過程で温室効果ガスを多く排出する動物性たんぱく質の代替としてもSDGsやESGへの貢献が期待されています。
*1食で、栄養素等表示基準値に基づき、他の食事で過剰摂取が懸念される、脂質・飽和脂肪酸・炭水化物・ナトリウムを除いて、すべての栄養素で1日分の基準値の1/3以上を含む。
調達した資金は商品開発や改善のためのR&D強化の資金、認知拡大・顧客獲得のための資金として活用予定です。
MUMSSは単独推薦・単独主幹事証券として本プロジェクトの執行をトータルサポート。IPO時のオファリング総額も59億円と2022年の本邦IPO案件において赤字予想企業としては最大、全体でもTop10にランクインしています。
高圧・低圧太陽光発電事業を行う非上場会社の株式譲渡
非コア事業として太陽光発電事業(静岡県を中心に中部・近畿エリアで高圧・低圧太陽光発電所を約80箇所(約17MWdc)を保有、運営)を行う非上場会社の株式譲渡案件です。
大手金融系上場企業の子会社が株式を取得しており、今後は金融商品化を通して個人顧客層に対するESG投資機会の創出が期待されます。
※以降、債券案件は発行日順に掲載
三重県によるみえグリーンボンド発行
三重県は「三重県地球温暖化対策総合計画」に基づき、温室効果ガス排出量を削減する「緩和」と、気候変動影響を軽減する「適応」を、地球温暖化対策の両輪に据えています。みえグリーンボンドを発行することで安定的な資金調達を実現し、地球温暖化対策への取組を推進しています。2022年2月に東海地方初のグリーンボンドとなる初回債を発行しました。同年10月にも起債を行い、不安定な起債環境にも関わらずESGラベル付き債券を選好する投資家が観測され、公共債として初めて「グリーニアム」としてスプレッドに反映されました。
本件を端緒に複数の他団体ESG債でグリーニアムが観測され、地方自治体によるESG債市場の更なる拡大に資する画期的な案件となりました。当社は、上記案件においてストラクチャリング・エージェント並びに事務主幹事として三重県をサポートしています。
三菱重工業株式会社によるトランジションボンド
三菱重工業株式会社は、社会・産業インフラを支える製品・技術を世界に提供し、地球規模の課題解決に取り組んでいます。また、2040年Net Zeroという野心的な目標を掲げるとともに、エネルギー供給側で脱炭素化を目指す「エナジートランジション」を推進しています。
同社は、カーボンニュートラル達成に関連する資金調達として、2022年9月にトランジションボンドを発行しました。
本件は、経済産業省「令和3年度クライメート・トランジション・ファイナンスモデル事業」のモデル事例に選定されており、「自社の製品・サービスを通じて、他者のトランジション戦略の実現を可能にする取組を計画している」点が特長の1つです。
当社は、本件においてストラクチャリング・エージェント及び事務主幹事を務めております。
三菱地所株式会社によるサステナビリティ・リンク・ボンド
三菱地所グループは、サステナブルな社会の実現に向けて、2050年にありたい姿を示した「三菱地所グループの Sustainability Vision 2050」を制定しています。長期経営計画2030においても、「事業を通じた価値提供の視点」として「Sustainability」を設定し、事業を通じた社会課題の解決を目指していくこととしています。
同社は2022年7月、サステナブルな社会の実現に向けた取り組みをより一層推進すべく、サステナビリティ・リンク・ボンドを発行しました。本債券は、SBTiが2021年10月に発表したネットゼロ新基準を前提としたサステナビリティ目標を設定した国内初の事例です。また、環境(E)及びダイバーシティ(S)両方に関する目標を1つのフレームワークに同時に設定する試みも、国内初となります。
当社は、本案件をストラクチャリング・エージェント並びに主幹事として支援しております。
出光興産株式会社による石油セクター初のトランジションボンド
出光興産株式会社は、2030年に向けた経営ビジョンとして「責任ある変革者」を掲げており、カーボンニュートラル・循環型社会へのエネルギーマテリアルトランジション、高齢化社会を見据えた次世代モビリティ&コミュニティ、これらの課題解決を可能にする先進マテリアルの事業領域を通して果たすことを公表しています。このうち、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを推進するための資金調達として、2022年7月にトランジションボンドを発行しました。本件は、脱炭素に向けて公正な移行に考慮し、事業ポートフォリオの転換を計画している点が評価され、経済産業省「令和3年度クライメート・トランジション・ファイナンスモデル事業」に選定されています。
当社は、本件においてストラクチャリング・エージェント及び主幹事を務めております。
ENEOSホールディングス株式会社による本邦初のトランジション・リンク・ボンド
ENEOSグループは、長期ビジョンにおいて2040年のありたい姿として低炭素・循環型社会への貢献を掲げており、カーボンニュートラル計画においては、Scope1+2の2030年46%削減、及び2040年カーボンニュートラルを目指しています。この野心的な目標達成へ向けた強いコミットを示すべく、2022年6月にトランジション・リンク・ボンドを発行しました。トランジション・リンク・ボンドとは、トランジション・ファイナンスに関する各種基準及びガイドライン等に適合した目標設定型・資金使途不特定の債券であり、発行は本邦初となります。
当社は、本案件をストラクチャリング・エージェント並びに主幹事として支援し、総額1,000億円の起債を、170件以上の投資家による投資表明を伴う形で成功裏に導きました。
株式会社JERAによる電力セクター初のトランジションボンド
株式会社JERAは、日本の約3割の電気を発電する国内最大の発電事業者であり、世界最大級の燃料取り扱い量を誇るエネルギー会社です。また日本のみならず世界のエネルギー問題を解決していくグローバル企業として、地球温暖化対策を経営の最重要課題と考え、再生可能エネルギーとゼロエミッション火力による2050年のゼロエミッションに向けた取り組みを進めています。
同社は、こうした取り組みを一層加速させるべく、2022年5月に電力セクター初となるトランジションボンドを発行しました。本件は、脱炭素への移行に重要な技術の開発等を含む業界初の事例として、経済産業省「令和3年度クライメート・トランジション・ファイナンスモデル事業」に選定されています。
当社は、本件においてストラクチャリング・エージェント及び主幹事を務めております。
Spiber 株式会社による事業価値証券化スキームを利用した資金調達
当社は、Spiber 株式会社の構造タンパク質素材の製造事業を対象とする「事業価値証券化(Value Securitization)」と呼ばれる資金調達手法(以下「本スキーム」)の組成においてアレンジャーを務めました。
Spiber 株式会社は、構造タンパク質素材「Brewed Protein(ブリュード・プロテイン)™」を開発する、山形県鶴岡市に拠点を置くバイオベンチャーです。Brewed Protein素材は、植物由来の糖類を主原料に使用し、微生物による発酵(ブリューイング)プロセスにより製造され、用途に応じて多様な特長を付与することが可能です。そのため、アパレル分野や輸送機器分野など、様々な産業における脱石油・脱アニマルのニーズに対し大きな役割を果たせる可能性を秘めており、持続可能な社会の発展に資する次世代の基幹素材と目されています。
本スキームは一般的なコーポレート・ローンとは異なり、同社が有する先進的な研究開発設備及びタイ国における量産プラント等の有形資産に加え、同社の根源的資産かつ競争力の源泉である知的財産等の無形資産の価値を最大限活かし、大規模調達を実現するために設計された、革新的な資金調達手法です。
昨今、SDGs 企業への投資ニーズが高まる中、Spiber 株式会社との協働により、スタートアップ企業における従来の株式を通じた資金調達手法に限定されない、幅広い投資家が参加可能な手法を実現したことで、日本における卓越した研究開発や事業を推進し、先進的な技術力を持つ企業の資金調達、およびこれら企業に対するクレジット投資を促進する道を切り拓くことができました。
ESG債関与実績
当社は、グリーンボンド等の引受・販売において、国内トップレベルの実績を有しています。
ICMA(国際資本市場協会)原則に則った債券
*1当社関与トランシェの発行総額
*2当社関与が事務主幹事・共同主幹事の場合、ストラクチャリング・エージェントを兼務することがある
発行日 | 発行体 | 債券の種類 | 発行総額*1 | 当社関与*2 |
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2024年9月30日 | 徳島県 | サステナビリティボンド | 45億円 | 共同主幹事 |
2024年9月25日 | 千葉県 | サステナビリティボンド | 150億円 | 共同主幹事 |
2024年9月25日 | 東日本高速道路株式会社 | ソーシャルボンド | 200億円 | 共同主幹事 |
2024年9月20日 | 株式会社ジーエス・ユアサコーポレーション | サステナビリティ・リンク・ボンド | 100億円 | 共同主幹事 |
2024年9月17日 | 独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構 | ソーシャルボンド | 150億円 | 共同主幹事 |
2024年9月12日 | 株式会社山口フィナンシャルグループ | グリーンボンド(劣後・個人向け債) | 200億円 | 共同主幹事 |
2024年9月12日 | ハンガリー | グリーンボンド | 13億円 | 事務主幹事 |
2024年9月12日 | 日本トムソン株式会社 | サステナビリティ・リンク・ボンド | 50億円 | 事務主幹事 |
2024年9月5日 | 三菱重工業株式会社 | トランジションボンド | 100億円 | 共同主幹事 |
2024年9月5日 | 株式会社山口フィナンシャルグループ | グリーンボンド(劣後) | 50億円 | 共同主幹事 |
2024年8月29日 | JA三井リース株式会社 | サステナビリティ・リンク・ボンド | 100億円 | 共同主幹事 |
2024年8月29日 | 西日本高速道路株式会社 | ソーシャルボンド | 1,227億円 | 共同主幹事 |
2024年8月29日 | 独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構 | ソーシャルボンド | 170億円 | 共同主幹事 |
2024年8月21日 | 宮城県 | サステナビリティボンド | 100億円 | 共同主幹事 |
2024年7月17日 | 兵庫県 | グリーンボンド | 115億円 | 共同主幹事 |
2024年7月5日 | 東京都 | ソーシャルボンド | 250億円 | 共同主幹事 |
2024年7月4日 | 株式会社マクロミル | ソーシャルボンド | 96億円 | 共同主幹事 |
2024年6月20日 | 独立行政法人福祉医療機構 | ソーシャルボンド | 100億円 | 事務主幹事 |
2024年6月19日 | 独立行政法人都市再生機構 | サステナビリティボンド | 200億円 | 共同主幹事 |
2024年6月19日 | 独立行政法人都市再生機構 | ソーシャルボンド | 50億円 | 共同主幹事 |
2024年6月17日 | 独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構 | ソーシャルボンド | 700億円 | 共同主幹事 |
2024年6月13日 | グローリー株式会社 | サステナビリティ・リンク・ボンド | 142億円 | 共同主幹事 |
2024年6月13日 | 日本貨物鉄道株式会社 | グリーンボンド | 70億円 | 共同主幹事 |
2024年6月12日 | 株式会社大林組 | サステナビリティ・リンク・ボンド | 200億円 | 共同主幹事 |
2024年6月7日 | 独立行政法人日本学生支援機構 | ソーシャルボンド | 300億円 | 事務主幹事 |
2024年6月5日 | 森永乳業株式会社 | グリーンボンド | 100億円 | 共同主幹事 |
2024年6月5日 | 株式会社オカムラ | サステナビリティ・リンク・ボンド | 50億円 | 事務主幹事 |
2024年6月3日 | 九州電力株式会社 | トランジションボンド | 300億円 | 事務主幹事・共同主幹事 |
2024年5月31日 | 福岡県 | グリーンボンド | 200億円 | 共同主幹事 |
2024年5月31日 | 東海旅客鉄道株式会社 | グリーンボンド | 100億円 | 共同主幹事 |
2024年5月30日 | JA三井リース株式会社 | サスティナビリティ・リンク・ボンド | 300億円 | 共同主幹事 |
2024年5月30日 | 三井不動産株式会社 | グリーンボンド | 300億円 | 共同主幹事 |
2024年5月30日 | 大阪ガス株式会社 | トランジション・リンク・ボンド | 250億円 | 共同主幹事 |
2024年5月29日 | 中国電力株式会社 | トランジションボンド | 100億円 | 共同主幹事 |
2024年5月29日 | 中国電力株式会社 | トランジション・リンク・ボンド | 160億円 | 共同主幹事 |
2024年5月28日 | 株式会社国際協力銀行 | グリーンボンド | 100億円 | 共同主幹事 |
2024年5月27日 | 独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構 | ソーシャルボンド | 220億円 | 共同主幹事 |
2024年5月23日 | 日本航空株式会社 | トランジションボンド | 800億円 | 共同主幹事 |
2024年5月22日 | 中部電力株式会社 | グリーンボンド | 100億円 | 事務主幹事 |
2024年4月26日 | 芙蓉総合リース株式会社 | サステナビリティ・リンク・ボンド | 300億円 | 共同主幹事 |
2024年4月25日 | 東日本高速道路株式会社 | ソーシャルボンド | 1,790億円 | 共同主幹事 |
2024年4月25日 | 大和ハウス工業株式会社 | サステナビリティ・リンク・ボンド | 600億円 | 共同主幹事 |
2024年4月25日 | 独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構 | ソーシャルボンド | 400億円 | 共同主幹事 |
2024年4月24日 | 三菱マテリアル株式会社 | トランジション・リンク・ボンド | 150億円 | 事務主幹事 |
2024年4月17日 | 日本郵船株式会社 | トランジションボンド | 150億円 | 事務主幹事 |
2024年4月17日 | 日本郵船株式会社 | グリーンボンド | 100億円 | 事務主幹事 |
2024年4月11日 | 西日本鉄道株式会社 | グリーンボンド | 300億円 | 共同主幹事 |
2024年4月11日 | 北海道電力株式会社 | グリーンボンド | 50億円 | 共同主幹事 |
2024年4月10日 | 電源開発株式会社 | グリーンボンド | 100億円 | 共同主幹事 |
注) 2016年4月1日以降に発行された案件のうち、当社及び当社グループ関与の案件を記載
その他
発行日 | 発行体 | 債券の種類 | 発行総額*1 | 当社関与*2 |
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2024年5月20日 | 名古屋市 | 名古屋市SDGs債 | 130億円 | 共同主幹事 |
2024年6月20日 | 名古屋市 | 名古屋市SDGs債 | 150億円 | 共同主幹事 |
注) 2016年4月1日以降に発行された案件のうち、当社及び当社グループ関与の案件を記載
ESGをテーマとしたETNの取り組み
本邦初のESG関連ETNである“スマートESG30シリーズETN”として、当社グループが発行した3銘柄のETN(スマートESG30女性活躍(ネットリターン)ETN、スマートESG30総合(ネットリターン)ETN、スマートESG30低カーボンリスク(ネットリターン)ETN)が東京証券取引所に上場されています。上場証券として、少額からの投資が可能であり、当社では個人投資家をはじめとしたESG投資の裾野拡大に取り組んでいます。
また、当社では、商品の上場のみにとどまらず、様々なESG課題の解消に向けた取組を支援していきたいという想いから、 本シリーズの投資家保有残高に応じた寄付を開始することとしました。
2024年度には、女性が活躍できる社会の推進、 脱炭素社会への移行の推進、次世代支援の各ESG課題の解消に取り組む活動を支援する3団体に約68万円ずつ、 合計約203万円の寄付を行いました。
※2024年度寄付先: プラン・インターナショナル・ジャパン、JUON NETWORK、ブリッジフォースマイル
(注:寄付先は毎年度当社が決定します。寄付は当社が単独で行うため、投資家による負担はありません。寄付額とスマートESG30シリーズETNの価格や パフォーマンスに連動性はありません。従いまして、お取引をなされる場合は有価証券届出書等の内容をご確認のうえお客さまご自身で判断下さい。)
スマートESG30シリーズETNの投資家保有残高に応じた寄付は、2023年度より実施しており、累計の寄付額は約446万円となります。 ESG諸課題解消のチカラになるべく、今後も新商品の上場や各種取り組みを通して、持続可能な社会の実現に貢献していく所存です。
ESG債等普及への取り組み
債券市場においてもESGの観点を踏まえた投資が普及してきており、その手法の一つとして、調達資金の使途を限定した債券である、グリーンボンド、ソーシャルボンド、サステナビリティボンド等への投資ニーズが高まっています。
グリーンボンドとは、調達資金の投資対象が環境問題の解決に貢献するグリーンプロジェクトに限定されている債券です。 同様に、社会的課題の解決に貢献するソーシャルプロジェクトに限定されているものはソーシャルボンド、
環境問題及び社会問題双方の解決に貢献するものはサステナビリティボンドと呼び、それらを総称してESG債と呼びます。
当社は、金融機関として果たすべき社会的使命を自覚し、持続可能な社会の実現に貢献するため、ESG債等の引受や発行サポートを積極的に行っており、国内外の発行体による数多くの案件に主幹事または販売会社として関与しています。
また、ESG債、ESGローンの双方を対象とできるESGファイナンスフレームワーク策定のサポートも行っております。
ESGs/SDGsエンゲージメント企画「ESG債発行体・ESG債投資家との対談」を実施[1.45MB]
ESG債発行体への寄稿「第70回日本学生支援債券のご起債にあたり」[457KB]
ESGs/SDGsエンゲージメント企画「サステナブル・ブランド 国際会議にてESG債発行体(鉄道・運輸機構)との対談」を実施