ビジネスを通じた環境、社会への貢献

ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取った言葉です。 世界の年金基金等をはじめとする投資家は、安定した投資収益を獲得するため、企業評価において、業績見通しや財務情報だけでなく、ESG等の非財務情報を考慮する傾向を強めています。

個別案件

 

栗田工業株式会社によるブルーボンド発行

クリタグループは、サステナビリティを、自然環境や社会システムの中に企業活動を位置付けそれらとの相互影響を踏まえて持続的な成長を図ることであると捉え、サステナビリティを経営の中核に据えて取り組んでいます。また、「持続可能な社会の実現に貢献する『水の新たな価値』の開拓者」を企業ビジョンに掲げています。この実現に向けた重要課題を、サステナビリティに関するグローバルな課題を踏まえ中期経営計画ごとに特定し、「クリタグループのマテリアリティ」として定めたうえで、指標・目標を設定してこれに取り組んでいます。
同社は、サステナビリティに関する取り組みをより推進し、幅広いステークホルダーの皆様に一層認知いただくべく、ブルーボンドを発行しました。
ブルーボンドとは、環境問題の解決をめざすグリーンプロジェクトの資金調達のために発行するグリーンボンドの一種であり、特に本社債は、調達資金をIFCの「ブルーファイナンスガイドライン」における「水衛生(water sanitation)」に適合するプロジェクトである「半導体向け超純水供給事業に係る設備投資」に充当する予定です。
当社は、本件においてストラクチャリング・エージェントおよび事務主幹事を務めています。

半導体向け超純水供給事業に係る設備
半導体向け超純水供給事業に係る設備

 

 

株式会社すかいらーくホールディングスによるサステナビリティ
ボンドの発行

すかいらーくグループは、「食の未来を創造し 豊かな生活と社会の発展に貢献する」というパーパスの実現に向け、価値創造モデルに基づいた中長期戦略を立案し、マテリアリティ(重点課題)を特定しています。そして、マテリアリティである「食品ロスの削減」、「脱炭素」を推進するべく、同社はサステナビリティボンドを発行しました。
特に本社債による調達資金は、「フードロス対策に向けたデジタルメニューブックの機能拡充などへの投資」、「店舗発注システムおよびフードロス対策に資する設備の導入」、「店舗やセントラルキッチンにおける省エネルギー機器・設備の導入」などに充当される予定です。
当社は、本案件をストラクチャリング・エージェントおよび事務主幹事として支援しています。

充当事業例/フードロス対策に向けたデジタルメニューブックの機能拡充などへの投資
充当事業例/フードロス対策に向けたデジタルメニューブックの機能拡充などへの投資

 

充当事業例/省エネルギー機器・設備の導入などに係る設備投資
充当事業例/フードロス充当事業例/省エネルギー機器・設備の導入などに係る設備投資

 

 

グリーンパワーインベストメントによる陸上風力発電事業を対象とした私募ファンドの組成

2025年2月、株式会社グリーンパワーインベストメント(以下、GPI)は三井住友信託銀行株式会社の子会社である三井住友トラスト・インベストメント株式会社、JA三井リース株式会社の子会社であるJA三井エナジーソリューションズ株式会社と共同して、国内の陸上風力発電事業を投資対象としたファンド「グリーンパワーリニューワブル2号投資事業有限責任組合」を組成しました。本件はGPIが開発・建設・保有・運営管理を手掛けた再生可能エネルギーファンドであり、同社の発電所の運営管理能力や地域との協調・共生に向けた取り組み等が評価された結果、組成に至りました。
当社は単独フィナンシャル・アドバイザリーとして、再生可能エネルギー分野における豊富な経験・知見を基にファンド組成及び投資家招聘のサポートを実施しました。

PAGグループによる太陽光発電事業ポートフォリオの売却

2024年12月、PAGグループ(以下、PAG)は、本邦所在の太陽光発電所ポートフォリオの持分をグローバルインフラストラクチャーファンドへ譲渡しました。本件対象資産の資産価値は約1,600億円であり、本邦では過去最大規模の太陽光発電事業ポートフォリオM&Aとなります。
PAGは、2002年設立のアジア・太平洋地域での投資を主とするファンドであり、300超の機関投資家から550億米ドル超の金額を受託し、国際分散投資運用を行っています。主にプライベートエクイティ、不動産及び信用市場(例 プライベートデット)へフォーカスし投資を実施しています。
本ポートフォリオは、PAG Renewables 合同会社(PAGR)の開発案件です。PAGRは本邦において大規模な再生可能エネルギー開発を2012年より実施しており、日本全国で累積約660MWの開発実績を誇っています。
当社は、単独フィナンシャル・アドバイザーとして再生可能エネルギー分野における豊富な経験・知見を基に案件執行のサポートをしました。

水素社会の実現及び日本経済の成長・産業競争力強化に資する国内初の水素ファンド組成案件

一般社団法人水素バリューチェーン推進協議会(以下、JH2A)、株式会社アドバンテッジパートナーズ(以下、AP)及び三井住友DSアセットマネジメント株式会社(以下、SMDAM)は、「脱炭素社会実現に向けて水素の普及を金融面から推進する」ことを目標に水素関連分野への投資に特化したJapan Hydrogen Fund(以下、本ファンド)を設立しました。気候変動というグローバルな課題への対応として、日本のみならず世界の水素サプライチェーン構築に向けた非常に意義深い取り組みとなります。
JH2Aは475社・団体*1に上る会員企業を有し、本プロジェクトにおいて当該会員企業との連携促進を担います。APは投資アドバイザリー業務及び運営業務サポートを提供し、SMDAMはファンド管理サービス及びサステナブル投資・日本稗益性評価を行います。
本ファンドは規模を10億ドル(約1,500億円)とする計画であり、2024年8月のファーストクロージングでは国内外の大手事業会社、金融機関等から計4億ドル超の出資をコミットメント頂きました。
当社は本件執行における私募の取扱業務の提供を行いました。

*1 2025年1月1日時点の会員企業数
本ファンドにおける投資領域
本ファンドにおける投資領域

水素バリューチェーンの上流から下流に属する日本裨益が期待できるアセット及び企業に投資します。

ESG債関与実績

当社は、グリーンボンド等の引受・販売において、国内トップレベルの実績を有しています。

2025年度

ICMA(国際資本市場協会)原則に則った債券

*1当社関与トランシェの発行総額
*2当社関与が事務主幹事・共同主幹事の場合、ストラクチャリング・エージェントを兼務することがある

発行日 発行体 債券の種類 発行総額*1 当社関与*2
2025年9月25日 東日本高速道路株式会社 ソーシャルボンド 218億円 事務主幹事
2025年9月25日 千葉県 サステナビリティボンド 150億円 共同主幹事
2025年9月22日 東京都住宅供給公社 ソーシャルボンド 56億円 事務主幹事
2025年9月22日 名古屋市 グリーン/ネイチャーボンド 103億円 共同主幹事
2025年9月19日 独立行政法人都市再生機構 サステナビリティボンド 50億円 共同主幹事
2025年9月19日 独立行政法人都市再生機構 ソーシャルボンド 150億円 共同主幹事
2025年9月18日 株式会社ちゅうぎんフィナンシャルグループ サステナビリティボンド(劣後・個人向け債) 100億円 共同主幹事
2025年9月16日 独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構 ソーシャルボンド 150億円 共同主幹事
2025年9月11日 中部電力株式会社 グリーンボンド 100億円 共同主幹事
2025年9月11日 積水化学工業株式会社 グリーンボンド 200億円 共同主幹事
2025年9月11日 株式会社ちゅうぎんフィナンシャルグループ サステナビリティボンド(劣後) 100億円 共同主幹事
2025年9月4日 トヨタ自動車株式会社 サステナビリティボンド 400億円 共同主幹事
2025年9月4日 栗田工業株式会社 グリーンボンド(ブルーボンド) 100億円 事務主幹事
2025年9月3日 JA三井リース株式会社 サステナビリティ・リンク・ボンド 200億円 共同主幹事
2025年8月29日 西日本高速道路株式会社 ソーシャルボンド 1,100億円 共同主幹事
2025年8月29日 独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構 ソーシャルボンド 50億円 共同主幹事
2025年8月29日 福岡県 グリーンボンド 200億円 共同主幹事
2025年8月29日 千葉市 グリーンボンド 150億円 事務主幹事
2025年8月28日 株式会社すかいらーくホールディングス サステナビリティボンド 50億円 事務主幹事
2025年8月26日 関西電力株式会社 トランジションボンド 450億円 事務主幹事・共同主幹事
2025年8月22日 住友三井オートサービス株式会社 サステナビリティボンド 200億円 共同主幹事
2025年8月20日 独立行政法人国際協力機構 サステナビリティボンド 230億円 事務主幹事
2025年7月31日 東日本高速道路株式会社 ソーシャルボンド 2,050億円 共同主幹事
2025年7月29日 楽天グループ株式会社 サステナビリティボンド 300億円 共同主幹事
2025年7月28日 独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構 ソーシャルボンド 200億円 共同主幹事
2025年7月25日 ニプロ株式会社 ソーシャルボンド(劣後) 500億円 共同主幹事
2025年7月25日 日本電気株式会社 サステナビリティ・リンク・ボンド 300億円 共同主幹事
2025年7月23日 西日本高速道路株式会社 ソーシャルボンド 308億円 共同主幹事
2025年7月16日 兵庫県 グリーンボンド 150億円 共同主幹事
2025年7月15日 東急不動産ホールディングス株式会社 グリーンボンド 100億円 共同主幹事
2025年7月15日 東急不動産ホールディングス株式会社 サステナビリティボンド 100億円 共同主幹事
2025年7月10日 東北電力株式会社 トランジションボンド 200億円 共同主幹事
2025年7月10日 横浜高速鉄道株式会社 グリーンボンド 50億円 事務主幹事
2025年7月10日 三菱HCキャピタル株式会社 グリーンボンド 150億円 事務主幹事
2025年6月20日 独立行政法人福祉医療機構 ソーシャルボンド 100億円 事務主幹事
2025年6月19日 独立行政法人都市再生機構 ソーシャルボンド 140億円 共同主幹事
2025年6月19日 独立行政法人都市再生機構 サステナビリティボンド 110億円 共同主幹事
2025年6月17日 東急株式会社 グリーンボンド 300億円 事務主幹事・共同主幹事
2025年6月16日 独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構 ソーシャルボンド 250億円 事務主幹事・共同主幹事
2025年6月11日 日本貨物鉄道株式会社 グリーンボンド 50億円 事務主幹事
2025年6月2日 インドネシア共和国 グリーンボンド(ブルーボンド) 37億円 共同主幹事
2025年5月30日 福岡県 サステナビリティボンド 50億円 共同主幹事
2025年5月29日 中国電力株式会社 トランジションボンド 200億円 事務主幹事
2025年5月29日 東京地下鉄株式会社 グリーンボンド 100億円 共同主幹事
2025年5月29日 三井不動産株式会社 グリーンボンド 1,000億円 共同主幹事
2025年5月29日 キリンホールディングス株式会社 ソーシャルボンド 650億円 事務主幹事
2025年5月29日 J.フロントリテイリング株式会社 サステナビリティボンド 200億円 共同主幹事
2025年5月28日 西日本高速道路株式会社 ソーシャルボンド 1,354億円 共同主幹事
2025年5月26日 森ヒルズリート投資法人 グリーンボンド 17億円 共同主幹事
2025年5月26日 独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構 ソーシャルボンド 50億円 共同主幹事
2025年5月22日 大和ハウスリート投資法人 サステナビリティボンド 18億円 事務主幹事
2025年5月22日 関西電力株式会社 トランジションボンド 226億円 共同主幹事
2025年5月21日 ユナイテッド・アーバン投資法人 グリーンボンド 46億円 共同主幹事
2025年5月1日 大日本印刷株式会社 サステナビリティ・リンク・ボンド 600億円 共同主幹事
2025年4月30日 東日本高速道路株式会社 ソーシャルボンド 2,231億円 共同主幹事
2025年4月25日 独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構 ソーシャルボンド 161億円 共同主幹事
2025年4月24日 東京臨海高速鉄道株式会社 サステナビリティボンド 38億円 共同主幹事
2025年4月23日 日本リート投資法人 グリーンボンド 13億円 事務主幹事
2025年4月21日 日本郵船株式会社 トランジションボンド 160億円 共同主幹事
2025年4月17日 北海道電力株式会社 トランジションボンド 145億円 共同主幹事
2025年4月16日 KDX不動産投資法人 グリーンボンド 23億円 共同主幹事
2025年4月11日 株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ グリーンボンド 165億円 事務主幹事
2025年4月10日 関西電力株式会社 トランジションボンド 250億円 共同主幹事

注) 2016年4月1日以降に発行された案件のうち、当社及び当社グループ関与の案件を記載

その他

発行日 発行体 債券の種類 発行総額*1 当社関与*2

注) 2016年4月1日以降に発行された案件のうち、当社及び当社グループ関与の案件を記載

ESGをテーマとしたETNの取り組み

本邦初のESG関連ETNである“スマートESG30シリーズETN”として、当社グループが発行した3銘柄のETN(スマートESG30女性活躍(ネットリターン)ETN、スマートESG30総合(ネットリターン)ETN、スマートESG30低カーボンリスク(ネットリターン)ETN)が東京証券取引所に上場されています。上場証券として、少額からの投資が可能であり、当社では個人投資家をはじめとしたESG投資の裾野拡大に取り組んでいます。
また、当社では、商品の上場のみにとどまらず、様々なESG課題の解消に向けた取組を支援していきたいという想いから、 本シリーズの投資家保有残高に応じた寄付を開始することとしました。

2024年度には、女性が活躍できる社会の推進、 脱炭素社会への移行の推進、次世代支援の各ESG課題の解消に取り組む活動を支援する3団体に約68万円ずつ、 合計約203万円の寄付を行いました。
※2024年度寄付先: プラン・インターナショナル・ジャパン、JUON NETWORK、ブリッジフォースマイル
(注:寄付先は毎年度当社が決定します。寄付は当社が単独で行うため、投資家による負担はありません。寄付額とスマートESG30シリーズETNの価格や パフォーマンスに連動性はありません。従いまして、お取引をなされる場合は有価証券届出書等の内容をご確認のうえお客さまご自身で判断下さい。)

スマートESG30シリーズETNの投資家保有残高に応じた寄付は、2023年度より実施しており、累計の寄付額は約446万円となります。 ESG諸課題解消のチカラになるべく、今後も新商品の上場や各種取り組みを通して、持続可能な社会の実現に貢献していく所存です。

ESG債等普及への取り組み

債券市場においてもESGの観点を踏まえた投資が普及してきており、その手法の一つとして、調達資金の使途を限定した債券である、グリーンボンド、ソーシャルボンド、サステナビリティボンド等への投資ニーズが高まっています。

グリーンボンドとは、調達資金の投資対象が環境問題の解決に貢献するグリーンプロジェクトに限定されている債券です。 同様に、社会的課題の解決に貢献するソーシャルプロジェクトに限定されているものはソーシャルボンド、
環境問題及び社会問題双方の解決に貢献するものはサステナビリティボンドと呼び、それらを総称してESG債と呼びます。

当社は、金融機関として果たすべき社会的使命を自覚し、持続可能な社会の実現に貢献するため、ESG債等の引受や発行サポートを積極的に行っており、国内外の発行体による数多くの案件に主幹事または販売会社として関与しています。
また、ESG債、ESGローンの双方を対象とできるESGファイナンスフレームワーク策定のサポートも行っております。

ESGs/SDGsエンゲージメント企画「ESG債発行体・ESG債投資家との対談」を実施[PDF1.45MB]
ESG債発行体への寄稿「第70回日本学生支援債券のご起債にあたり」[PDF457KB]
ESGs/SDGsエンゲージメント企画「サステナブル・ブランド 国際会議にてESG債発行体(鉄道・運輸機構)との対談」を実施

 

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