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ESG投資
STRATEGY 02

ESG投資

環境社会課題の解決に挑む企業と応援したい投資家をつなぎ、
持続可能な社会の実現に貢献する。

拡大を続ける日本の富裕層。
            サービスは届いているか?

急速に拡大するESG投資。
世界が動き始めている

<ESGマーケットの規模>

担当FAと所属企業に対する顧客の信頼

出所:Bloombergより三菱UFJモルガン・スタンレー証券作成
*2023年は同年9月30日までの実績。複数ラベルに跨る債券は重複して集計。米ドル換算為替は発行日時点。

担当FAと所属企業に対する顧客の信頼

出所:Bloomberg、発行登録追補書類等EDINET公表資料、CAPITAL EYEより三菱UFJモルガン・スタンレー証券作成
*日本国内での発行金額(サムライ債、国内外貨債を含む)、為替換算は条件決定日時点。

始まりは2006年だった。この年、国連のサポートによりPRI(PRI:Principles for Responsible Investment)と呼ぶ6項目の責任投資原則(別掲)が発足。環境問題(Environment)や社会問題(Social)、企業統治(Governance)の要因を投資の意思決定に組み込むこと求めた。それぞれの頭文字を取ったESGという言葉が生まれたのもこの時だ。2007年は、PRIの賛同署名機関は185を数えるだけだったが年を追って増加。2015年のパリ協定やSDGsの採択も後押しになって、2020年には3,516機関へと急速に拡大した(11月末現在)。

この流れと並行して、資金使途を環境社会課題の解決に限定したESG債(グリーンボンド、ソーシャルボンド、サステナビリティボンド、トランジションボンド※)の発行も増えていった。2010年に44億ドルだった発行規模は、2021年10月時点で8,805億ドルへと劇的に拡大している。持続可能(サステナブル)な社会の実現に向け、政府、国際機関および企業はESG投資を一気に加速させていった。他方投資家は、ESGの観点にそぐわない企業および資金使途への投資を回避するDivestmentを拡大すると同時に環境社会課題の解決に臨む企業を支援することを通じて持続可能な社会の実現に貢献するというアクティブな投資行動を強めていった。

※グリーンボンドとは、調達資金の投資対象が環境問題の解決に貢献するグリーンプロジェクトに限定されている債券。同様に社会的課題の解決に貢献するソーシャルプロジェクトに限定されているものをソーシャルボンド、環境問題および社会問題双方の解決に貢献するものをサステナビリティボンド、企業の長期的な温室効果ガス排出削減の移行を支援するものをトランジションボンドと呼ぶ。

<PRI 6つの原則>
  1. 私たちは投資分析と意思決定のプロセスにESG課題を組み込みます。
  2. 私たちは活動的な所有者となり、所有方針と所有習慣にESG問題を組入れます。
  3. 私たちは、投資対象の企業に対してESG課題についての適切な開示を求めます。
  4. 私たちは、資産運用業界において本原則が受け入れられ、実行に移されるよう働きかけを行います。
  5. 私たちは、本原則を実行する際の効果を高めるために、協働します。
  6. 私たちは、本原則の実行に関する活動状況や進捗状況に関して報告します。

出所:国連責任投資原則

日本のESG投資を牽引するMUMSS

欧米を中心としたESG投資への積極的な取り組みから、日本はやや立ち遅れた。しかし、海外の投資家から日本企業への問い合わせが増え、また2015年にGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)がPRIに署名したことがきっかけとなって、ESG投資への関心は高まった。三菱UFJモルガン・スタンレー証券(MUMSS)は、発行体の環境社会課題に関連する事業の資金調達の支援と投資家へのESG投資の機会提供が、持続可能な企業価値の向上に資する市場の育成に寄与すると考え、ESG投資活性化への取り組みを強化した。

MUMSSはMUFGとモルガン・スタンレーとのジョイントベンチャーである強みを活かし、先行する欧米市場に関する情報や知見を蓄えるとともに、MUFGのESG債発行体としてのノウハウを活かし、グリーンボンドなどの組成・引受を積極的に進めた。2017年に、東京都が国内自治体として初めて発行するグリーンボンド(100 億円)を事務主幹事として引き受けたほか、多くの企業等による国内初、世界初となる案件の実現をサポートした。現在、引き受け実績、グリーンボンド・ストラクチャリング・エージェント(グリーンボンドの発行支援者)の就任件数共に国内トップクラスの実績を誇っている。ジャパングリーンボンド・アワード ジャパン・グリーンコントリビューター部門 環境大臣賞(2019)、東京金融賞(2019)、ESGファイナンス・ アワード・ジャパン 環境大臣賞銀賞(2020)などESG関連での授賞も多数に上り、MUMSSは国内ESG債マーケットのパイオニアとしてESG投資の拡大を牽引し続けている。

田村 良介
ESGファイナンス
&新商品室
室長
2001年 入社

コミュニケーションツールとしての
価値を持つESG債

三菱UFJモルガン・スタンレー証券でESG債発行の先頭に立つのがデット・キャピタル・マーケット部でESGファイナンスチームを統括する田村だ。2016年、既に10年超のキャピタルマーケット経験を有し新商品開発を担当していたが、特命を受け本格的にESGファイナンス推進を開始した。

「グリーンボンドの発行においては、資金を振り向ける環境プロジェクトを特定し、環境面のインパクトと共に対外的に開示しなければなりません。また、第三者機関の意見書の取得も必要です。当初は、それだけの手間とコストをかけて、どんなメリットがあるのかという声が返ってくることもありました」。

田村らは、ESG債を使った事業が果たす環境貢献はもちろんのこと、ステークホルダーとの対話を深めるという意味でも、ESG投資が大きな価値を持っていることを示し発行体候補および投資家と議論を重ねていった。

「投資家や株主、さらに本業の商品やサービスを受け取るお客さまなど、さまざまなステークホルダーとの対話を促進するコミュニケーションツールとしても、ESG債は大きな価値を持っています。また、従業員も、自社の環境貢献事業を改めて確認することができ、社内文化の醸成、自社に対するロイヤリティの向上にもつながります。まず私自身がESGの意義を信じて真剣に取り組みました。初期に発行したある企業からは、他社は相談しても懐疑的な反応だったが、当社だけが真剣に具体的な提案を続けてくれたので、当社を単独で採用したと言われたこともあります」と田村。努力が報われたと感じた瞬間だったという。

持続可能な社会の実現に向けた
ゲートキーパーになる

田村が着任した2016年度の国内におけるESG債の発行実績は、760億円にすぎなかった。しかし翌2017年度は2,000億円を超え、2018年度は3倍増の6,200億円、そして2019年度には1兆3,478億円にまで拡大した。2020年度は11月末時点で既に1兆6,000億円を超えており、今後も伸びると田村はみている。

「ESG債を発行したいという相談が増えているだけではありません。例えば当社が事務主幹事を務めたある公募債(450億円)には、これまでの最多となる111件もの投資表明が行われました。これまで、投資家側が投資先を進んで明らかにすることはありませんでしたが、プロジェクトに賛同することを示すことでSDGsの実現に貢献するニーズも出てきています。日本の資本市場が、大きく変わりつつあると感じています」。

もともと証券会社は社会の公器としての資本市場で金融仲介機能を提供することで、社会全体に効率的かつ安定的に資金を循環させていくという使命を持っている。これからは、従来以上に、環境社会課題への取り組み状況など、非財務情報を用いた発行体と投資家のエンゲージメントが重要になると田村は語る。

「本業での取り組みをマーケットに発信していきたいと考える発行体のニーズ、ESG投資に力を入れたいという投資家のニーズ、この2つを結び付け、真に評価されるべき発行体が評価されるように、金融仲介業者としての社会的使命を果たしていきたいと思います。それが持続可能な企業価値の向上に資する市場の育成につながり、日本の企業の国際競争力を高めることになります」。

環境社会課題への発行体の思いと投資家の意志を受け止める市場を大きく育てていく――入社から20年を経て、証券会社の社会的使命を改めて噛み締める田村。サステナブルな社会の実現、社会の公器としての資本市場の健全な発展に向けたゲートキーパーとして確かな役割を果たしていく。

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