私たちを取り巻く社会経済環境は大きく変化しています。我が国における超低金利政策から「金利のある世界」に転換する可能性を含めた世界的な金融政策動向、ウクライナやパレスチナをはじめとする地政学リスク、地球沸騰化による食料生産への懸念、生成AIをはじめDX技術による産業革新など、証券マーケットの不確実性を高める要素は数多く存在します。また、証券業界ではデジタルを武器にオンライン証券の躍進や異業種による新規参入の活発化もあり、今後も競争のさらなる激化が予想されます。
一方で、我が国では政府が掲げる「資産運用立国」の実現に向けて、1月にスタートした新NISA、4月に設立された金融経済教育推進機構なども背景に、資産運用アドバイスのニーズ拡大や若年層による投資ブームなど関心が高まり、東証の発行体企業に向けた資本効率改善計画や金融庁の機関投資家に向けたスチュワードシップコードも相俟って「貯蓄から資産形成へ」の流れが加速しつつあります。
また、政府による「スタートアップ育成5ヶ年計画」による新規起業の増大や、ESG経営による本業を通じた持続可能な環境・社会へ貢献に向けた投資拡大など、産業界も変革が迫られています。
こうした大きな環境変化のもと、直接金融市場における発行・運用の両面におけるアドバイザー・リスク仲介者として、お客さま・社会からの証券会社への期待はかつてないほどに高まっています。
こうした期待に積極的にこたえていくため、当社は、めざす姿として『クオリティNo.1・お客さま満足度No.1』、スローガンとして『Challenge For Better Tomorrow
~お客さま・社員、そして会社にとってより良い明日へ』を掲げています。
当社は、これまでもMUFGの顧客基盤と機能、モルガン・スタンレーのグローバル知見を最大限活用することで、投資銀行ビジネスやJGBセールス&トレーディングの分野でトップクラスのプレゼンスを誇っています。また、ウェルスマネジメントの分野では、業界に先駆けてアドバイザリー型へのビジネスモデル改革を行いました。さらに、この1月には機関投資家向け日本株セールス・コーポレートアクセス・リサーチ業務をモルガン・スタンレーMUFG証券と一体化するなど、独自の特色あるビジネスモデルを築いてきました。これからも、こうした当社にしかできない圧倒的な強みを1つずつ確実に増やし、スケールアップすることで進化していきたいと考えています。