私の主な仕事は機関投資家やプロの投資家からの巨額なオーダーに対して、適切なトレードを執行するサービスやソリューションの提供だけでなく、アルゴリズムトレーディングという自動売買システムのような電子取引を用いたトレードも担います。例えば、過去の事象からストックしているマーケット情報や個別銘柄のデータを蓄積した、アルゴリズムをお客さまへマーケティングして、実際にそのシステムを活用していただくというものです。もともとはリテールの営業社員として入社したのですが、一つのプロダクトに関するプロフェッショナルになることを意識するようになり、その後に現部署と地方金融機関を対象にしたセールストレーディングを担う部を経験して、再度今の部署に所属しています。長い道のりでしたが、当時思い描いたキャリアを歩んでおり、現在は本業以外にマネジメントにも担当領域を伸ばして、日々の業務に臨んでいます。
数年前、ヘッジファンドの新規開拓を目的とした海外出張を、当時の上司からの推薦で経験しました。私たちのお客様である機関投資家では、すでにニーズのある方たちとの交渉がスタートすることも多くあります。しかし、この海外出張では電話をかけ、提供できるサービスを説明し、商談日を設定して…というようなことをノックのように行い、新規や既存を含め、2日間で10数社ほどに提案を行うという業務をチームメンバーと共に遂行しました。当時はこの状況に厳しさを感じたこともありましたが、顧客の開拓から始まり、関係構築の中でニーズを汲み取って商品提案を行うという、証券の仕事を一から学べたのは、今のキャリアの大きな土台になったと思います。今思うと、当時の上司が推薦してくれた背景には、1つの道を極めるには全体を経験しなければ、狭い視野でしか物事を見ることはできず、アイディアも弱くなってしまうというメッセージが込められていたのだと思います。
案件によってはリーダーとして、チームビルディングが求められます。ある案件でお客さまから類を見ない大口のオーダーをいただいた時は、まさに強固な提案をチームで行った結果であったと思います。つまり、その提案に必要な領域の広さと深度を見極め、各エキスパートを早急にアサインし、メンバーの専門知識と、それぞれが持つノウハウを最大限活かす縦横のラインを意識し、チームで議論し提案を行いました。リーダーは各メンバーの主張を理解できるよう同レベルのインプットをして、同じ視点を持たなければ、各人のノウハウを活かすことはできません。違う畑の知識であっても、広く深く関わることがリーダーでありプロフェッショナルの役目です。もちろん、当社には海外出張のチャンスを与えてくれた上司や、チャンスを掴みにいける制度があり、その可能性を信じて切磋琢磨し合える仲間たちがいます。目的を持っていれば道が見えてくるのは仕事も就職活動も同じだと思いますので、今これを読んでいる学生の皆さんもまずは何をしたいか、漠然とでも良いので思い描いてみてください。いずれ目指していた道をチャンスが照らしてくれるはずです。