デリバティブの時価評価モデルの研究開発を軸に、リーマン・ショック以降に新たに導入された国際的なデリバティブ規制への対応、直近では金利指標改革対応等、市場慣行や金融規制の変化を先取りし、必要な対応を具現化していくのがクオンツの仕事です。そのためには数理面の知識だけではなく、より広範囲な知見が要求されます。三菱UFJ銀行とMUFGセキュリティーズEMEA(ロンドン)との3社グローバル開発体制を敷き、人的交流も含め緊密に連携しています。お互いのビジネスニーズの違いと開発効率性の双方を考慮しつつ、MUFG視点でトレーダーや顧客のニーズを満たすよう議論を重ねています。
以前は計算機の処理能力の制約により、市場で観測される複雑な現象の考慮や負担するリスク・コストの一部を無視せざるを得ませんでしたが、IT技術の目覚ましい進展により、最近ではより精緻な数理モデルを実務で取り扱うことが可能になっています。さらに、AI技術の業務導入が現実的となり、クオンツの活躍領域はデータサイエンスの領域まで拡大する傾向にあります。そういう意味でクオンツにとって今はこれまで以上におもしろい時代だと思います。われわれが提供するソリューションの一つひとつが当社ビジネスに与えるインパクトも大きくなってきており、責任の重さとともにやりがいを感じています。
クオンツサイエンス課の業務領域はクオンツ領域だけでなくデータサイエンス領域まで拡大しており、今は課長として課員が取り組むすべてのプロジェクトにマネジメントの立場で関わっています。その中でも特に重要な仕事だと考えているのは課員の採用・育成です。当課では数理モデルやデータ分析手法等、ソリューションの研究開発を社員のみで行っているため、高い能力を持ったバイタリティあふれる社員の確保が必須です。また、業務はすべてチームで行うため、一人ひとりの能力向上だけでなく、強いチーム作りが成功への鍵となります。新型コロナウィルス感染拡大の影響で在宅ワークを併用している中、課員同士のコミュニケーション活性化とモチベーション維持にも気を配りながら、わくわく感のある楽しい職場づくりを目指しています。